図1 会場の様子
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図2 展示されていた痛車
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図3 ロジコマ
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図4 特別版の「Winglet」
図4 特別版の「Winglet」
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図5 「Winglet」を利用したゲームの様子
図5 「Winglet」を利用したゲームの様子
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図6 SCEのARカードのデモ
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図7 PS Vitaを利用したARデモ
図7 PS Vitaを利用したARデモ
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図8 キャラクターのフィギュアを、前面にハーフミラーを付けたケースに入れている。ハーフミラーの上部に、ディスプレーを下方に向けてPS Vitaを置き、ハーフミラーで反射されたPS Vita上の映像とフィギュアが重なって見えるようになっている。この写真では、テレビのフィギュア上の映像が、PS Vitaに表示されたもの。
図8 キャラクターのフィギュアを、前面にハーフミラーを付けたケースに入れている。ハーフミラーの上部に、ディスプレーを下方に向けてPS Vitaを置き、ハーフミラーで反射されたPS Vita上の映像とフィギュアが重なって見えるようになっている。この写真では、テレビのフィギュア上の映像が、PS Vitaに表示されたもの。
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図9 セイコーエプソンのブース
図9 セイコーエプソンのブース
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 ドワンゴとニワンゴは、「ニコニコ動画を地上に再現する」をコンセプトにしたイベント「ニコニコ超会議3」を開催した(2014年4月26~27日、千葉県・幕張メッセ)。2012年に開催が始まった同イベントは今年で3回目を迎える。年々来場者が増えており、幕張メッセの展示ホールやイベントホールに足を運んだ「会場総来場者数」は12万4966人、インターネットを通じた会場からの公式生放送を視聴した「ネット総来場者数」は759万5978人に上った(図1)。2013年4月に開催された前回は、それぞれ10万3561人と509万4944人だった。

 規模拡大と共に、大手企業の出展も相次いでいる。多様な業種の企業がおり、製造分野やエレクトロニクス分野、通信分野の企業も関連製品や技術を出展した。公式に発表されてはいないが、企業が出展する主な狙いは「若年層の取り込み」にあると考えられる。例えば自動車メーカーであれば、日本の若者のクルマ離れを防止する狙いがあるのだろう。実際、来場者で目立つのは、中学生や高校生、大学生などの姿である。

 会場のいたるところで多種多様なイベントが開催され、盛り上がりを見せており、「超巨大な学園際」の様相を呈していた。本稿では、筆者が見てきた企業ブースの出展内容について、その概要を紹介する。

トヨタが攻殻とコラボ


 まずはトヨタ自動車の出展内容から。同社は出展ブースを構えていたわけではないが、痛車が集う「痛Gふぇすた出張編 in ニコニコ超会議3」(運営は芸文社「痛車グラフィックス」)のブースに、立ち乗り型の移動支援ロボット「Winglet(ウイングレット)」を展示していた(図2)(関連記事1)。アニメ「攻殻機動隊ARISE」とコラボレーションしたモデルで、同アニメに登場する戦車「ロジコマ」をイメージした特別版になっている(図3、4)。この特別版のWingletを利用し、搭乗者同士で操作の正確さを競うゲームを実施していた(図5)。

SCEはAR推し


 次に、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)。同社は、据置型ゲーム機「PlayStation(PS)4」や携帯型ゲーム機「PlayStation(PS) Vita」を利用したAR(拡張現実感)技術のデモを披露した。

 例えばPS4では、PS4用カメラで捉えたカード上に、仮想的なキャラクターを重ねてテレビに表示する実演を見せた(図6)。特定のマークや絵柄が描かれたカードをカメラで捉えると、その上にキャラクターが出現する、いわゆる「ARアプリ」は既に一般的だ。ただし、あらかじめ決まったマークや絵柄のカードでないと仮想キャラクターは出現しないので、専用カードが不可欠になる。今回の出展された技術の特徴は「専用カードが不要で、基本的にはどのカードでも利用できること」(説明員)である。実現技術の詳細を明かさなかったが、カメラで捉えたカードの絵柄が、あらかじめ登録しておいた絵柄のデータベースと照合できれば、既存のカード上でも仮想キャラクターを出現させることができるという。

 PS Vitaでは、空港の地図をPS Vitaのカメラで撮影すると、その地図の上に仮想の航空機などが出現するアプリを見せた(図7)。PS Vitaをこの仮想の航空機に近づけると、航空機のエンジン音まで聞こえてくる。

 加えて、PS Vitaで表示する映像と現実にある物体を重ね合わせて見せるデモを披露した。例えば、初音ミクなどのキャラクターのフィギュアを透明な樹脂ケース内に入れ、そのケースの前面にハーフミラーを付ける。ハーフミラーの上部にPS Vitaを配置。PS Vitaのディスプレーを下方に向けて置くので、ディスプレー上の映像はハーフミラーで反射され、その反射映像とフィギュアが重なって見える仕組みだ(図8)。

 こうした一連の技術デモを終えた後、体験者にアンケートを取っていた。その中で、前述のハーフミラー付き樹脂ケースについては、「いくらなら購入するか」という質問があった。体験者が記入した価格によっては、製品化される可能性がある。

 この他、セイコーエプソンが2014年5月に発売予定のヘッドマウントディスプレー(HMD)「MOVERIO BT-200」を出展したり、NTTが同社の最新技術をアピールしたりしていた(図9)(関連記事2)。