遺伝子解析用ソフトウエアなどを手掛けるドイツGENALICE社は、製品の供給と開発での協業に向けて、米Intel社と協議を開始した。米国ボストンで開催中の「2014 Bio-IT World Conference & Expo」で、GENALICE社が明らかにしたもの。遺伝子解析に適するハードウエアやソフトウエアの開発をともに進めていく考えである。

 GENALICE社は2013年12月、「GENALICE MAP」と名付けた遺伝子解析用ソフトウエアを発売した。Intel社のプロセッサー「Xeon E5」を搭載したサーバー上で同ソフトウエアを動作させた結果、short readsと呼ばれる短リード長の解析において、人間とトマトの遺伝子42セットずつを24時間以内に解読できた。同ソフトウエアはXeon E5のような汎用プロセッサーのアーキテクチャをうまく利用できるように最適設計したものという。

 2社の協業は、医療分野で扱うビッグデータの処理に適したハードウエアやソフトウエアを対象とする。例えば、がん患者の腫瘍の遺伝子情報を迅速かつ低コストで解析する手法を提供し、個別化医療につなげることを狙うという。

 併せて、Intel社はGENALICE社製品向けハードウエアのメインサプライヤーとなる。GENALICE社は「GENALICE VAULT」と呼ぶターンキー型の遺伝子解析システムを手掛けており、GENALICE MAPの他、ワークフロー・マネジメントやリアルタイムモニタリング用のソフトウエア、データベース、ストレージなどを併せて提供する。