がん治療に携わる医師の状況とCIWorksの役割
がん治療に携わる医師の状況とCIWorksの役割
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CIWorksのサービスイメージ
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 デジタルガレージは、ニュース・サービス・センターと共同で設立したシーアイワークス(CIWorks)を通じ、がんの治療情報に特化した医療ナレッジの提供サービス「CIWorks」を2014年5月から開始する(リリース)。

 日本では毎年70万人以上ががんと診断され、がんが要因で毎年30万人以上が死亡している。また、がん治療に当たる医師は約11万人と推定される。ただし、最新のがん治療に関する情報が医師の間で効率的に共有されていないとデジタルガレージは指摘する。

 CIWorksではこうした課題を背景に、がん治療に役立つ最新の知見(ナレッジ)をより多くの医師に広めるプラットフォームを構築することを目指すという。その中核を成すものとして、日本や欧米の学会などで発表される最新の研究成果のうち、臨床現場で有用なものを峻別し、その背景を含めて解説したコンテンツを掲載する。

 こうしたコンテンツの作成に当たっては、日本のがん治療の中心的な役割を担う医療機関に所属する20人以上の医師や専門家に協力を仰ぐ。その上でこれらの協力者に、肺がんや消化器系がん、泌尿器系がん、乳がんなどの固形がん種を中心に、分野を絞り込んだトピックの提供や参考論文の推薦、臨床情報の提供などを行ってもらうという。また、同サービスに登録した医師の間で有益なディスカッションがなされる場をサイト内に設けることで、がん治療のレベル向上に寄与することを目指す。

 同サービスでは、製薬企業各社が開発を進める抗がん剤に関する情報も積極的に提供していくという。製薬企業に対して、サイト内で広告やプロモーションを展開できる広告商品を提供し、がん関連新製品の認知度向上に寄与することを訴求する。中期的には、サイト内に掲載したコンテンツを用いた新薬開発やコンサルティングサービスの提供などを通じて、医師と製薬企業、医療機関の3者間のコミュニケーション促進を図っていくという。

 CIWorksは、デジタルガレージとニュース・サービス・センターが2013年秋に設立したスタートアップ企業である。医療分野において個々の医師が持つナレッジや経験を持ち寄り、Collective Intelligence(集合知)を形成できるプラットフォームの構築を通じて、臨床医療のレベルを向上することを目指している。