次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)は、4K映像を用いた衛星試験放送を2014年6月2日に開始する計画を明らかにした(関連記事1関連記事2関連記事3関連記事4)。2014年4月23日に総務省で開催された「4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合(第2回)」で、NexTV-F事務局長の元橋圭哉氏が明らかにした。

 また、ケーブルテレビ統括会社のジュピターテレコム(J:COM)は2014年4月24日、NexTV-Fの4K試験放送をケーブルテレビやIP網で再送信する試験を同6月2日に開始すると発表した。

 NexTV-Fは放送を受信できる対象者や受信方法の詳細については、「5月の連休明けから、遅くとも放送の1週間前までには正式に発表する」(NexTV-F事務局)とする。

256QAMで60pの4K映像をケーブルテレビの1chに載せる

 一方、J:COMは新たに、映像の送信装置(マスターヘッドエンド)と4K映像専用のセットトップボックス(STB)を開発し、今回の4K試験放送に利用するとする。映像のフォーマットは、フレーム速度が60Hzの「60p」で、多値変調技術「256QAM」を利用して占有帯域を30M~40Mビット/秒に圧縮。ケーブルテレビのチャネル1チャネル(6MHz幅)で伝送する。J:COMのこれまでのケーブルテレビ網では映像の圧縮に64QAMを用いており、256QAMがどこまで使えるかも今回の試験放送で確認するという。

 J:COMは6月から順次、同社の「Wonder Studio」や同社ショップの店頭など全国20カ所で4K映像を受信、公開する。さらに、日本ケーブルテレビ連盟や連盟加盟のケーブルテレビ局と連携し、J:COM以外のケーブルテレビ局エリアでも、4K試験的放送が視聴できるよう準備を進めるという。

 IP網での4K映像の伝送は、「TS over IP」かつRTPを基にしたマルチキャスト技術を利用する。「地上デジタルのIP放送で使われているのと同じ技術」(J:COM)。総務省などが2016年以後の4K/8K放送の多重化方式として規定したMMT・TLV方式の利用は今回は見送る。