都内で開かれた記者会見(出所:日経BP)
都内で開かれた記者会見(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
Solar Power Networkがカナダに設置した例(出所:Solar Power Network)
Solar Power Networkがカナダに設置した例(出所:Solar Power Network)
[画像のクリックで拡大表示]

 屋根貸しによる太陽光発電事業を展開する、カナダのSolar Power Network社は4月16日、日産自動車九州(福岡県苅田町新浜町)の屋根を賃借し、出力2.13MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設し、九州電力に売電すると発表した。2014年12月までに着工し、2015年初旬には稼働を開始する予定。日産自動車九州は、日産自動車の車両組み立て工場の1つ。日産自動車は、今後ほかの工場でも、太陽光発電事業向けに屋根を貸すことを検討している。

 総事業費は約5億円。日本法人のSolar Power Network(東京都港区)が事業会社となる。パネルの設置角はカナダに設置するのと同様に5度とする。採用するパネルは検討中、パワーコンディショナー(PCS)は、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)かABBのどちらかになる見込み。建設に関しては、日本アジアグループの国際ランド&ディベロップメントと提携している。

 Solar Power Network社は、2009年にトロントで創業した。これまでにカナダを中心に約600カ所の商業・産業・公共施設の屋根上で太陽光発電システムを設置・運営する。出力容量は約300MWに達する。日本でも、静岡県富士市の下水処理施設(出力3MW)、千葉県野田市(1.4MW)での受注実績がある。今後も日本での屋根上での太陽光発電事業を積極的に拡大していく方針だ。

 Solar Power Network社のピーター・グッドマン社長兼CEO(最高経営責任者)は、「世界的に見ると、電力システムは、第一段階として石炭火力と原子力への依存を減らしつつ、再生可能エネルギーなどの分散電源の比重が高まる。第2段階として、分散電源の自家消費に移行し、送配電網への依存が減っていく。第3段階として蓄電池システムにより、自立型エネルギーシステムが完成する。需要に隣接した屋根上に設置した太陽光システムは、第2段階のエネルギーシステムとして最適」と話す。

■変更履歴
第2段落最後の文で「国際航業」としていましたが,「国際ランド&ディベロップメント」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2014/4/17]