センサーの基本機能(図:積水化学工業)
センサーの基本機能(図:積水化学工業)
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センサーの原理(図:積水化学工業)
センサーの原理(図:積水化学工業)
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 積水化学工業は、独自設計の発泡構造を持ったポリオレフィンフォームを用いる圧電センサーを開発した(発表資料)。開発したシート形状のセンサーは、帯電させたポリオレフィンフォームに圧力がかかった際、わずかな形状の変化によって発生した電荷をアルミシートに伝え、電気信号として表示するというもの。心拍や脈拍、呼吸などで体表面にかかる微弱な圧力も検知できることからヘルスケア分野などでの採用を狙う。

 同社によれば、特殊なプラスチックシートを材料とする従来の圧電センサーに対し、今回の開発品は汎用のポリオレフィンをベースとしているため、幅広い分野に製品を提供できるようになるという。居眠りや疲労を検知する車両シート、体調の長期モニタリング用の測定寝具、高齢者の見守りマットシート、ウエアラブル機器などへの応用を想定している。すでにサンプル出荷が可能で、2014年5月21日~23日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2014」に出品する予定だ。

 厚さは700μmで、大きさは2cm×2cmから100cm×100cmまで生産可能。耐久性は温度80℃、湿度RH95%の環境で3カ月、-20℃でも3カ月。屈曲寿命は500回、耐圧は最大2MPaである。脈拍を検知する場合の感度は30mV/N。回路処理により、脈拍、呼吸、いびき、体動への分離抽出が可能という。