オリンパスメディカルシステムズは、肺末梢部の病変を観察および診断しやすい極細の気管支内視鏡を発売する(リリース)。日本と欧州では2014年4月から、その他の地域でも順次発売する。

 近年では、X線CT装置の性能向上などに伴い、気管支の末梢部に病変が見つかる機会が増えている。病変が悪性と疑われる場合、気管支鏡検査などで組織を採取し、確定診断を行う。

 気管支鏡検査では、口や鼻から内視鏡を挿入し、肺や気管支の病変を観察・診断する。気管支は奥にいくほど細いため、その末梢部へアプローチする内視鏡には径が極めて細いことが求められる。従来は直径3~4mmのものが一般的だったが、高画質との両立が難しかった。今回はこの課題を克服した。

超小型CCDを搭載、挿入部の回転機能も

 新製品は「BF-P190」「BF-P290」「BF-XP190」「BF-XP290」の4機種で、特徴は大きく三つある。第1に、非常に小型のCCDを新規開発し、内視鏡の先端部に搭載した。先端部の外径はBF-P290とBF-P190が4.2mm、BF-XP290とBF-XP190が3.1mmである。

 第2に、内視鏡の挿入部を左右に最大120°回転させることができる機能を搭載した。従来は、術者が内視鏡を握る手や体をひねることで肺末梢部へアプローチしていた。今回の製品では、より自然な体勢でスムーズに内視鏡を挿入でき、術者が意図する部位の組織を採取しやすくなるという。

 第3に、先端を210°まで湾曲できるようにし、肺末梢部へアプローチしやすくした。従来の気管支内視鏡の湾曲角度は180°だった。第2の特徴に挙げた挿入部回転機能と組み合わせることで、肺上葉の気管支に内視鏡を挿入しやすくなる。