GEヘルスケア・ジャパンの川上氏
GEヘルスケア・ジャパンの川上氏
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 GEヘルスケア・ジャパンは2014年4月7日、「2014年 成長戦略発表会」を東京都内で開催した。同社 代表取締役社長兼CEOの川上潤氏は、団塊の世代が75歳以上に達する2025年を見据えて、ビジネスモデルを大きく変化させる必要があると強調。「医療機器メーカーという枠を超えていく」と語った。

 2025年は65歳以上の高齢者の比率が30%を超え、団塊の世代が75歳以上に達する年。そこでは医療・ヘルスケアも「2025年モデル」へ脱皮する必要があるとした。医療機関の機能分担や相互連携、在宅医療の充実などの比重が高まるとともに、地域密着型のビジネスになっていく。

サービス&ITや分子医学を次なる柱に

 こうした状況に見合う事業ポートフォリオとして、「診断・臨床機器」に加えて「サービス&IT」を第2の柱、「分子医学」を第3の柱に据えるという。これら三つを「有機的に結び付け、他社が作れないソリューションを構築する」狙いがある。同社は以前からサービス&ITと分子医学の両事業の育成に力を注いでおり、いずれも事業規模は既に診断・臨床機器と同等に育ったと話した。

 このうちサービス&ITの分野では、診断・臨床機器のメンテナンスや、装置稼働効率を高めるソリューション、データ保存などのクラウドサービス、ビッグデータの分析などを手掛けていく。将来的には、コンサルティングに近い形での医療機関支援も手掛けたいとする。

 分子医学の分野では、たんぱく質や細胞の研究用機器やバイオ医薬品製造プロセス、診断薬、再生医療研究などを手掛けていく。これらの取り組みを通じ、疾病のメカニズムを遺伝子や細胞のレベルで理解することが、個別化医療につながっていくと同社はみている。

 これら三つの柱からなる「未来型ヘルスケア・カンパニーの姿をはっきり見せていくことが2014年の成長戦略」だと川上氏は語った。

 この他、2014年4月11日に開幕する国際医療画像総合展(ITEM 2014)での出展内容のうち、四つを紹介した。第1に、アルツハイマー病の早期診断に使えるとされる、ベータアミロイドを画像化するための薬剤「Flutemetamol」について。ここでは病院内でFlutemetamolを合成できるようにするための承認申請や、Flutemetamolの製造と供給に関するライセンス契約などに取り組んでいる。

 第2に、高分解能と高速化、広いカバレージを両立させたX線CT装置「Revolution CT」。難度が高いとされる心臓の撮影などに向くという。第3に、音を出さないMRI「SILENT SCAN」の稼働実績。第4に、放射線の線量最適化支援ソリューション「DoseWatch」である。