電通国際情報サービス(ISID)のオープンイノベーション研究所と、放送大学の川原研究室は共同で、商業施設内での移動履歴から知人関係を類推するアルゴリズム「知人類推アルゴリズム」を開発し、実証実験で有効性を確かめた。
ISIDなどが実証実験をしたのは、大阪の商業施設「グランフロント大阪」である。グランフロント大阪には、チェックイン機能を搭載したデジタルサイネージや、無線LANを用いたスマートフォン向けの屋内測位システムが設置してある。これらを利用して、事前に承諾を得た15人の観光客の行動履歴から知人類推アルゴリズムの有効性を検証した。
まず、デジタルサイネージでほぼ同時刻にチェックインした複数人を見つける。その後、その被験者の行動履歴を基に、知人類推アルゴリズムで知人かどうかを判定する。実験の結果、チェックイン後60分間の行動履歴があれば、100%の確率で知人かどうかを判定できることが分かった。
ISIDは、知人類推アルゴリズムのマーケティングへの応用を考えている。SNS上のつながりをマーケティングに活用する手法は既に存在するが、ISIDはさらに、リアルなつながりを活用することを検討している。リアルなつながりがある人から得た情報は、その信頼性が高まるといった効果を期待する。
実証実験での検証結果を含めて、ソーシャル・サイエンス分野の国際学会「2014 4th International Conference on Applied Social Science (ICASS 2014)」(2014年3月20日~21日:シンガポール)で公表する。タイトルは:「Social City Development and Analogy of Location Based Social Graph(Within-City Human Relations)」である。