薬事承認申請中

 PROBEAT-RTは、北海道大学の「動体追跡照射技術」と、日立製作所の「スポットスキャニング照射技術」を世界で初めて組み合わせた装置だ。

動体追跡照射技術とスポットスキャニング照射技術を融合
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北海道大学と日立製作所の関係者
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 動体追跡照射技術は、肺や肝臓など、呼吸で位置が変動する腫瘍に対して、精度よく陽子線を照射する技術。スポットスキャニング照射技術は、陽子線のビームを従来のように拡散させるのではなく細い状態のまま用い、照射と一時停止を高速で繰り返しながら順次位置を変えて陽子線を照射する技術。複雑な形状をした腫瘍でも、その形状に合わせて高い精度で陽子線を照射することができる。

 今回の装置は、照射方式をスポットスキャニング照射方式のみに特化したことで、ガントリーや照射ノズル、加速器を小型化したのも特徴である。

PROBEAT-RTの外観
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陽子ライナックやシンクロトロン(加速器)
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 北海道大学病院陽子線治療センターでは、まずはスポットスキャニング照射技術を適用した治療を行いながら、動体追跡照射技術を組み合わせた治療システムの早期実現を図る考え。動体追跡照射技術とスポットスキャニング照射技術を組み合わせた治療システムについては、薬事法の製造販売承認を申請中で、2014年度上期中の承認取得および治療開始を目指す。