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“おむつセンサー”に有機エレの先端技術を結集、東大の桜井氏が講演

2014/03/17 17:58
大下 淳一=日経デジタルヘルス
講演する桜井氏
講演する桜井氏
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おむつセンサーシートを紹介
おむつセンサーシートを紹介
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 東京大学 生産技術研究所 教授の桜井貴康氏は、2014年3月17日に開催された「フレキシブル医療IT研究会 第二回研究会」で講演した(関連記事)。講演タイトルは「フレキシブル医療と回路・システム」。“おむつセンサー”など、有機エレクトロニクス分野の最新成果を紹介するとともに、医療用フレキシブルデバイスに求められる回路・システム技術について語った。

 桜井氏が講演で多くの時間を割いたのは、2014年2月の「ISSCC(International Solid-State Circuits Conference) 2014」で同氏らのグループが発表した、おむつへの応用を想定した乾湿センサーに関する説明である。同センサーはセンシングや無線給電、無線データ通信、ESD対策の機能を併せ持ち、寸法78mm×53mm(厚さ12.5μm)のシート上にこれらの機能を電子回路として実装した。「薄くて曲がり、外付け部品が不要な完全集積型のフレキシブルデバイスをどこまで実現できるかのチャレンジ」(桜井氏)と位置付ける。

 今回のセンサーシートでは、センシングに有機RC発振回路、ESD対策に有機ダイオードを使った他、磁界共鳴方式(共振周波数13.56MHz)の無線給電に自動調整機能を実装して省電力化するなど、多くの工夫を施した。これらの技術はいずれも「フレキシブル医療技術の基礎になるもの」(桜井氏)。ISSCCでの発表後、今回のセンサーシートの販売権がほしいとの問い合わせが外部企業から寄せられたという。

 桜井氏はこの他、フレキシブルデバイスの機能を補うものとして、Si-LSI技術を融合していくことの重要性を説いた。一例として、0.6Vといった低電圧で動作するSi-LSIの開発事例を紹介。有機/Siの区別にかかわらず、医療応用では(1)極低電力、(2)無線、(3)エネルギーハーベスト、(4)人との柔らかいインターフェース、などを満たす要素技術が重要とした。