北大と日立が共同開発した新型陽子線がん治療システムが臨床現場に

高田 憲一=日経ものづくり

  • 2014/03/17 17:55
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新型陽子線がん治療システム「PROBEAT-RT」
新型陽子線がん治療システム「PROBEAT-RT」
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 北海道大学と日立製作所は、共同開発を進めてきた新型陽子線がん治療システム「PROBEAT-RT」と、同システムを設置した医療施設が北海道大学病院内に完成したと発表した(図1、日立製作所のニュースリリース)。同病院は、新開発のシステムを使ったがん治療を2014年3月19日から始める。

 開発した陽子線がん治療システムは、北海道大学の「動体追跡照射技術」と、日立製作所が世界で初めて一般病院に導入した「スポットスキャニング照射技術」を組み合わせたもの。両技術を組み合わせた治療システムは世界初という。

 動体追跡照射技術とは患者の呼吸などで微妙に動く腫瘍を追跡する技術。一方、スポットスキャニング照射技術は、腫瘍に照射する陽子線のビームを細い状態のまま維持し、照射と一時停止を高速で繰り返しながら順次位置を変えて照射する技術(従来の方式では陽子線が拡散してしまった)。両技術を組み合わせることで、陽子線を腫瘍に集中的照射することが可能となり、正常細胞への悪影響を大幅に減らせるという。

 北大は今回完成した施設において、薬事法の製造販売承認を既に取得している「スポットスキャニング照射技術」を適用した治療を当面実施する。動体追跡照射技術を組み合わせた治療は、両技術を組み合わせた治療システムとしての製造販売承認を早期に取得し、2014年度上期中に開始したいとしている。

 なお、今回の開発は、国家プロジェクトである「最先端研究開発支援プログラム」として実施したもの。

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