完成した「木製架台メガソーラー多可発電所」(出所:サンフォレスト)
完成した「木製架台メガソーラー多可発電所」(出所:サンフォレスト)
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建設中の「木製架台メガソーラー多可発電所」(出所:サンフォレスト)
建設中の「木製架台メガソーラー多可発電所」(出所:サンフォレスト)
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 兵庫県森林組合連合会(神戸市)の出資によるサンフォレスト(神戸市)は1月31日、兵庫県多可町に出力約1.3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「木製架台メガソーラー多可発電所」を稼働させた。同町から敷地を賃借し、県産の間伐材を使った架台の上に太陽光パネルを設置した。太陽光パネルはシャープ製、EPC(設計・調達・建設)サービスは、NTTファシリティーズが担当した。事業費4億円。木材部分の建設費には、森林林業緊急整備事業・地域材新規用途導入促進支援による助成金を活用した。

 木製架台は、サンフォレストとNTTファシリティーズが共同開発した。コンクリート製基礎の上に105mm×105mmと105mm×30mmの2種類の角材で架台を組み立てた。木材の使用量は約180m2になる。角材は、県産のスギ間伐材をプレカット後、インサイジング加工で防腐剤を加圧注入した。JAS(日本農林規格)に規定される性能区分K4相当の最も腐食しにくい耐久性能を保持しているという。加えて、湿気を持ちやすいコンクリートと木材が接触しない設計にして腐食の可能性を下げた。廃棄時には、木質バイオマス用チップに再利用できる利点もある。

 サンフォレストとNTTファシリティーズは、多可発電所で蓄積した木製架台の建設ノウハウを全国展開する計画。設計・施工面はNTTファシリティーズが担い、木材の選定や加工など木材供給面は、サンフォレストが全国森林組合連合会を通じて、各地の森林組合にノウハウを提供する。すでに同社とNTTファシリティーズは、兵庫県企業庁が石播磨に建設する5MWの木製架台を採用するメガソーラーの建設を受注している。