記者会見で説明する永井氏
記者会見で説明する永井氏
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 第78回日本循環器学会学術集会が2014年3月21~23日に東京駅周辺(東京国際フォーラム、JPタワー、東京商工会議所)で開催される。それに先立って、同学術集会のトピックスを紹介する記者会見が同年3月11日に開催された。

 今回の学術集会の会長を務めるのは、自治医科大学学長 東京大学名誉教授の永井良三氏。同氏はまず、今回のテーマが「情報爆発とネットワーク時代の循環器病学」であることを説明した。

 永井氏は「情報爆発」という言葉の意味として、特に基礎研究におけるゲノム解析技術の急速な進展を挙げた。「次世代シーケンサーの性能向上によって、かなりの情報が大量に蓄積されるようになってきた」(同氏)。その一方で、現時点では、大量に生み出される情報を整理できない状況であること、それらの情報を活用して知識を構築していくこと、などが課題であると指摘した。そこで今回の学術集会では、こうしたテーマを扱う会長特別企画「ゲノム科学の新展開」を用意した。

 さらに、基礎研究におけるゲノム解析技術以外にも、医療現場では電子カルテが普及し、病院情報やDCPデータのシステム化が進むなど、日々の診療の中で大量の医療情報が扱われるようになってきている。ただし、「医療界にはさまざまなビッグデータが存在するが、なかなか利用できていない」(永井氏)と語る。そこで、こうしたテーマを議論する会長特別企画「循環器病ナショナルデータベース」を設けたと説明した。