日本電業工作がカシオテクノと共同開発した「かんたんマルチポイント同時監視システム」(出所;日本電業工作)
日本電業工作がカシオテクノと共同開発した「かんたんマルチポイント同時監視システム」(出所;日本電業工作)
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 日本電業工作(東京都千代田区)は3月4日、カシオテクノ(東京都千代田区)と共同で、「かんたんマルチポイント同時監視システム」を開発したと、発表した。同システムは、長距離無線LAN システム「FalconWAVE」とカシオテクノの高性能カメラ・レコーダーを組み合わせた監視システムで、メガソーラー(大規模太陽光発電所)などの大規模施設内に設置された複数の監視カメラ映像を無線で伝送し、監視施設での一括監視ならびにインターネットを利用した遠隔確認も可能という。

 監視システム導入時の大がかりな建設工事が不必要になることで、導入費用を30%軽減できるという。低消費型の電力監視カメラと無線装置LAN で、システム消費電力は6W に抑えられ、完全自立での運用も可能という。

 各地でメガソーラーの建設が進み、今後も大型化が予想される。施設内は赤外線センサなどを利用した警備システムも監視カメラや侵入センサなどを設置、無人化されている。地上設置は侵入が容易なうえ、施設内も無人のため、不審者の侵入やいたずら、設備の盗難が問題化されている。また山間部などでは大型鳥獣による設備被害まで報告されている。

 今回のシステムでは、大規模施設内に複数設置された高性能監視カメラ映像を、フレームの最適化により高画質のまま長距離無線伝送し、監視設備にリアルタイムで集約できる。またクラウドを介し、携帯電話やパソコンで施設内の複数監視カメラの映像をピンポイントで確認できる。無線方式は、免許不要の2.4GHz 帯の長距離無線LAN 方式で、1 対4 のポイント・トゥ・マルチポイント伝送を採用。これにより、太陽光発電所の発電量に影響を与えるパネルに付着するゴミ、枯葉や雑草、積雪状況などの確認が可能となり、太陽光パネルでの発電量の低下を未然に防ぐことも可能という。無人化された施設での高性能監視カメラによる複数地点のリアルタイム監視を実現できるとしている。