図1 「Air Stamp」の概要。NTTドコモが音波発生装置とソフトウエア開発キット、認証サーバーを提供する
図1 「Air Stamp」の概要。NTTドコモが音波発生装置とソフトウエア開発キット、認証サーバーを提供する
[画像のクリックで拡大表示]
図2 Air Stampで利用する音波発生装置
図2 Air Stampで利用する音波発生装置
[画像のクリックで拡大表示]
図3 「JR東日本アプリ」では、乗車中の車両を認識してその編成の混雑状況や車内温度の情報を提供する機能にAir Stampを活用している
図3 「JR東日本アプリ」では、乗車中の車両を認識してその編成の混雑状況や車内温度の情報を提供する機能にAir Stampを活用している
[画像のクリックで拡大表示]

 NTTドコモは、ユーザーがある領域に入ったことをスマートフォンのアプリに通知(チェックイン)する技術「Air Stamp」を、スマートフォン向けサービスの事業者に提供すると発表し、「リテールテックJAPAN 2014」(2014年3月4~7日、東京ビッグサイト)に出展した(発表資料)。併せて、JR東日本が2014年3月10日にサービスを開始する「JR東日本アプリ」でAir Stampを利用していることを明らかにした。

 Air Stampは、店舗などに設置した音波発生装置から、人の耳に聞こえない高周波域の音波を使ってユニークなIDを伝達する仕組み。NTTドコモはスマートフォンを持って店舗に来店したユーザーにポイントを付与するサービス「ショッぷらっと」(関連記事)において、音波によるチェックイン機能を利用してきた。それを他社のアプリで利用できるようにオープン化する。同社は音波を使うことの利点として、音波が壁を通り抜けずに反射する点や、マイク機能さえあれば利用できる点を挙げる。

 NTTドコモがAir Stampにおいて、(1)ユニークなIDを音波で発する音波発生装置、(2)対応アプリの開発に利用するライブラリとAPI、(3)認証サーバー、を提供する。これにより、サービス事業者は任意の場所に音波発生装置を設置し、独自のアプリにチェックイン機能を組み込める。認証サーバーは録音などによる不正を防止するためのものであり、チェックインの際に通信回線を経由して認証させることをNTTドコモは推奨している。

 JR東日本アプリは、運行情報や列車の走行位置、駅の構内図といった、JR東日本の列車や駅を利用する際に役立つ情報を提供することを目的としたアプリである(PDF形式の発表資料)。このアプリの1機能として提供する「山手線トレインネット」では、ユーザーが乗っている編成と号車を認識し、その編成の各車両の混雑状況や車内温度を確認できるようにした。乗っている号車の認識に、車両内に設置した音波発生装置を利用する。

 JR東日本は2014年3月までに3編成を山手線トレインネットに対応させ、2015年3月までには全編成を対応させる予定である。