メガソーラー全体のPCSの出力を最適化する「メイン・サイト・コントローラ」と、蓄電池のPCSの制御を連携させることで、出力の急峻な変動を緩和(撮影:日経BP)
メガソーラー全体のPCSの出力を最適化する「メイン・サイト・コントローラ」と、蓄電池のPCSの制御を連携させることで、出力の急峻な変動を緩和(撮影:日経BP)
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 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は、スマートグリッドExpo(2月26日~28日開催)において、メガソーラー(大規模太陽光発電所)に蓄電池を最適に組み合わせる、「スマートPV」と呼ぶ技術を出展した。

 北海道や沖縄といった、電力系統の容量が相対的に小さい地域では、蓄電池を併設して、急激な出力変動を抑制することが、新たにメガソーラーを建設する条件として課されている。こうした急激な出力変動の抑制を、できるだけ小さい容量の蓄電池によって実現する技術である。

 メガソーラー全体のPCSの出力を最適化する「メイン・サイト・コントローラ」と、蓄電池のPCSの制御を連携させることで実現する。

 メイン・サイト・コントローラは、メガソーラーが備える複数のPCSを統合する制御システムである。電力系統を安定化するための電力会社からメガソーラーに対する出力制御などに対応しやすいシステムとして注目されている。

 メガソーラー内の一部の太陽光パネルに影がかかり、その太陽光パネルと接続したPCSの出力が低下した場合でも、他の部分の太陽光パネルと接続したPCSが定格を超えて出力できれば、その上回った分の出力をそのまま売電し、メガソーラー全体で規定の容量の売電を維持するといった制御を可能とする。

 こうしたメイン・サイト・コントローラによる制御に、蓄電池を組み合わせて制御することで、メガソーラー出力の急峻な変動を緩和するための蓄電池の容量を大幅に減らせる。TMEICによると、北海道電力が示している、出力5MWのメガソーラーに4MWの蓄電池を備えるとの目安に対して、同社のスマートPVを使えば、蓄電池の容量を約2.5MWに減らせるという。