組織体制を一新

 (3)の予後・介護分野では、例えば、音声認識技術を活用し、患者の状況を医師や介護者がつぶやくだけで複数人で情報共有できるコミュニケーションサービスを提供する。さらに、介護ロボット分野の開拓も図る。

 (4)の健康増進分野では、例えば、照明技術や温度・湿度制御技術などを活用し、無菌・無農薬の野菜を提供する植物工場を実現する。この他、動物(ペット)向けヘルスケア事業の拡大も狙う。

 東芝は、これらの取り組みを推進するため、2014年4月にヘルスケアに関する組織体制を一新する考え。これまで、東芝本体のヘルスケア事業、グループ企業のヘルスケア事業、そして東芝メディカルシステムズなどに分かれていた組織を集結させる。

東芝
2014年4月に組織を一新する

 事業規模としては、当面は現行の画像診断装置を中心とする売り上げが軸となる。2015年度に目指す売上高6000億円のうち、約5400億円が画像診断装置を中心とした既存事業と見込む。2017年度の売上高目標である1兆円に向けて、今回明らかにした新規事業を拡大させる他、数1000億規模のM&Aも手掛けていく意向だ。

 ヘルスケア事業に軸足を移す電機メーカーが目立ち始めている。東芝の田中社長は「幅広い領域の技術を持っていることに加え、これまでの社会インフラ事業の中で、B to Bのチャネルだけでなく、病院や各国政府・自治体などへのチャネルを構築していることが我々の強みになる」と語った。