約150億円増額した任天堂の研究開発費

 任天堂は、2013年度も営業損益が赤字になる見通しだ。こうした苦境からどのようにして脱するのか、その方策に注目している。既にWii Uのてこ入れ策や、ビデオゲーム事業以外の新規事業の立ち上げなどを発表している。これらについても興味深いが、アナリストとして、数字の面で大いに関心を寄せている部分がある。それは研究開発費の増額である。

 2013年度の研究開発費は、過去最高の約700億円に達する見込み。2013年度の当初では、約550億円と見積もっていた。つまり、約150億円増えた計算になる。特に2013年度第4四半期に急増する。第3四半期の研究開発費に比べて、第4四半期から約100億円も増える。

10年ほど前の任天堂の研究開発費は200億円ほどだったが、ここ数年は500億円前後で推移していた。任天堂によれば、700億円になったのは今期だけで、来期以降は従来程度(500億円前後)にまで戻るとしている。

 詳細を明かしていないが、増額分の約150億円は、何らかの設備やシステムの購入に充てたのだろう。その設備やシステムを使い、来期以降、任天堂は研究開発を加速させるとみられる。