2013年11月に新しい据置型ゲーム機2機種がそろって発売された。ソニー・コンピュータエンタテインメントの「PlayStation(PS)4」と米Microsoft社の「Xbox One」である。両機の滑り出しが順調な一方で、任天堂の「Wii U」は不振だ。こうした新型ゲーム機が置かれた状況について、ゲーム業界のアナリストはどう見ているのか。SMBC日興証券 株式調査部 シニアアナリストの前田栄二氏に話を聞いた。(聞き手は根津 禎=日経エレクトロニクス)

 PS4は、欧米など海外で先行して発売され、2013年内で420万台の実売を記録しており好調だ。日本では2014年2月22日に発売される。日本でも順調な滑り出しをみせると思う。実際、同年1月の時点で、店頭割り当て分の約65%が既に予約で埋まっていると聞いた。もしかしたら、2月に入って追加割り当てがあるかもしれない。そのため、日本でのPS4の売れ行きも期待できる。おそらく日本では発売から2日間で30万~50万台が売れるだろう。日本だけで2014年夏までに100万台、2014年内に300万台に到達する可能性がある。

 2014年に入ってもPS4は欧米で売れ続けており、2014年3月までに実売500万台というSCEの目標は達成される見込みだ。早ければ2014年内に全世界で1000万台に到達するかもしれない。Xbox Oneを合わせると、2014年内に2000万台に達する可能性がある。新世代の据置型ゲーム機は普及期に入ったとみていい。

 PS4とXbox Oneの好調ぶりは、単なる「アーリーアダプター」だけが両機を購入していると考えるべきではないことを教えてくれる。多数のゲーム愛好者、つまり「コアゲーマー」がいることの証左だと思う。