矢野経済研究所は、家庭用の健康管理機器の国内市場について調査し、2013年のメーカー出荷金額は電子血圧計が265億円、電子体温計が107億円、体重体組成計が233億円、歩数計・活動量計が78億円になる見込みと発表した(発表資料)。

 健康管理機器分野では、スマートフォンやパソコンなどと連動させ、計測データを容易に管理できる製品の上市が続いている。特に近年は無線通信機能を備えた製品が増えており、より簡易なデータ管理が可能になっている。これに伴って健康管理サービスの拡充も進んでおり、異業種から参入した企業も見られるなど、今後の広がりに期待が集まる。

 歩数計・活動量計の市場では、歩数計から活動量計へのシフトが進みつつあり、買い替え需要で市場が伸長しそうだという。1日の活動量などをより詳細に、継続的に捉えて、日々の運動の確認や生活習慣の見直しに役立てようというニーズを背景として、今後は腕時計型のウェアラブル活動量計が増えると矢野経は予測している。

 電子血圧計は、健康管理サービスと連動する製品が増え、市場は拡大傾向で推移している。また、近年は、日々の健康状態を把握する上で、家庭で計測する血圧の値(家庭血圧)が重視される傾向があり、市場は堅調に推移していくとみられる。

 電子体温計は、体温計測時間の短縮といった製品開発のアプローチはほぼ一巡し、現在は各メーカーが製品の差異化に向けた模索を続けている。2013年は、主要メーカーによる新製品投入などで一定の伸長が見られたものの、今後は市場は横ばいになると矢野経はみている。

 体重体組成計は、血圧計と同様に健康管理サービスと連動する製品が増えてきたが、製品単価が下落したため、メーカー出荷金額では横ばいとなっている。近年は、健康管理サービスを展開する企業が自社製品を発売する動きもあり、今後の展開が注目される。