製品の外観(出所:オムロン)
製品の外観(出所:オムロン)
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 オムロンは2014年4月に、戸建や集合住宅向けに設計・設置の容易さを高めたパワーコンディショナー(PCS)の新機種を発売すると発表した。「マルチ入力方式」の太陽光発電システム用屋外設置型単相PCS「KP59R-J4:5.9kWタイプ」と「KP48R-J3:4.8kWタイプ」の2機種だ。販売は、3年間累計で6万台を目指す。価格はオープン価格。

 「マルチ入力方式」とは、寄棟屋根に太陽光パネルを設置する場合のように枚数の異なるパネルを回路ごとに入力設定できる機能で、従来必要であった昇圧ユニットや接続箱が不要となり、システム設計の自由度が高まるという。加えて、従来品と比べ、1回路当たりの最大入力電流を10.5Aまで増やし、運転できる電圧の範囲を下限50Vまでに広げたため、太陽光パネルの選定や枚数の組合せなど設計の自由度が増すという。

 太陽光発電システムの集中導入に伴い、発電出力が増加することで電力系統の電圧が一時的に上がるケースが増えると予想される。電力系統側の電圧が規定以上に上昇した場合、従来、規定値を超えないようにPCS側で出力を抑制する機能を搭載していた。一方でこの機能が動作すると、電圧調整のために出力を抑制するため売電機会の損失になる。今回の新機種では、従来の出力抑制制御機能に、売電量抑制に影響を与えにくい「進相無効電力制御」を加えた。出力抑制制御が働く前に「進相無効電力」を注入し、電力系統側の電圧上昇を抑えることで、従来の出力抑制制御を働きにくくする。売電量損失の低減効果が期待できるという。

 従来の屋外機種と同様、外部ファンレスの自然空冷方式を採用した。外部に露出するファンがないため、音が気になったり、塵埃や虫などの影響による故障するリスクを大幅に軽減できるという。また、本体に表示部・操作スイッチを搭載しているため本体のみで動作でき、集合住宅などへの設置でも、操作表示ユニットを収める収納箱が不要になる。電力変換効率は、95.5%(接続箱機能含む)。