決算内容を発表する三菱電機常務執行役の松山彰宏氏。
決算内容を発表する三菱電機常務執行役の松山彰宏氏。
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 三菱電機は、2013年度第3四半期(2013年10~12月)の連結決算を発表した。重電システム部門や産業メカトロニクス部門、電子デバイス部門、家庭電器部門などがいずれも増収増益で、売上高は前年同期比13%増の9153億円、連結営業利益は同2.7倍の634億円となった。「国内外とも好調だった」(同社)。

 セグメント別に見ると、重電システム部門では公共工事などの社会インフラ事業や原子力安全対策工事などの電力事業、海外の交通インフラ事業での受注が増加。ビル事業も昇降機の新設や中国を中心とする海外での受注が増えた他、円安の効果もあり、同部門全体としての売上高は前年同期比19%増の2587億円、営業利益は同102億円増の249億円となった。

 産業メカトロニクス部門では、スマートフォンや半導体関連の国内向け設備投資の回復に伴いFAシステムの売り上げが増えた他、自動車機器やメガソーラー関連の受注も増えた。同部門の売上高は、例えば、FAシステム事業は前年同期比で40%、自動車機器事業は同25%増加した。同部門全体での売上高は前年同期比20%増の2719億円、営業利益は同159億円増の324億円だった。

 電子デバイス部門や家庭電器部門も増収増益。前者の売上高と営業利益は、それぞれ444億円(前年同期比11%増)と32億円(同49億円増)、後者のそれは2070億円(同8%増)と72億円(59億円増)だった。家庭電器では、エアコン事業が国内外で好調で国内の出荷台数が前年同期比で40%増えた他、北米や欧州向けも伸びており、「(エアコンを製造している)静岡製作所はフル稼働している状態」(同社)という。

 一方、減収減益となったのが情報通信システム部門。通信事業や情報システム・サービス事業の売上高は前年同期を上回ったものの、電子事業や宇宙事業の売り上げが前年同期を下回り、部門全体では売上高が前年同期比3%減の1126億円、営業利益が同8億円減の1億円だった。

 2013年度の業績見通しについては、持分法利益や為替差益の増加など営業外損益の改善が見込めるとして、税引前当期純利益を2000億円から2200億円に、株主に帰属する当期純利益を1200億円から1400億円にと、それぞれ200億円増に修正した。売上高と営業利益は3兆9500億円と2200億円で変更はない。