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大分県由布市、美しい自然・景観保全のため、条例で再エネを規制

2014/02/01 01:27
金子 憲治=日経BPクリーンテック研究所
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由布市の田園風景(出所:由布市ホームページ)
由布市の田園風景(出所:由布市ホームページ)
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 由布院温泉などの観光地で知られる大分県由布市は、美しい自然環境や魅力的な景観などを保全する目的で、再生可能エネルギー発電設備の設置を市長が規制できる条例を1月29日に施行した。同条例の正式名称は、「由布市自然環境等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例」。観光資源でもある美しい自然や景観の保全と、太陽光や風力発電など再生可能エネルギー発電との調和を図ることを目的としている。

 具体的には、貴重な自然や地域を代表する優れた景観を有すると市長が定めた区域においては、建物の屋根に設置する場合を除いたすべての再生可能エネルギー発電事業に関して、「事業を行わないように協力を求めることができる」と定めている。
 
 加えて、こうした区域でなくても、再生可能エネルギー発電の事業区域の面積が5000m2を超える場合には、関係する自治会や近隣関係者への説明会を開催したうえで、市長に届け出て、協議することを義務付けた。また、この協議に当たっては、「市長は必要に応じて、有識者などからなる審議会に諮問する」と規定している。

 同条例が規制する再生可能エネルギーは、固定価格買取制度(FIT)の対象とする再エネとしているが、実際には、九州各地で急速に普及しているメガソーラー(大規模太陽光発電所)が観光資源である景観に及ぼす悪影響を懸念している面が大きい。これまで再生可能エネルギーの開発に際しては、地熱発電に対して温泉業界が反対したり、風力発電の騒音などに対して周辺住民などから苦情が出たりしたケースがあった。太陽光発電は、出力規模に比して相対的に地表の占有面積が大きいことから、景観への影響に関して今後、さらに論議が高まる可能性がある。

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