説明する千葉氏
説明する千葉氏
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これまでの内視鏡手術で医師がイライラする点
これまでの内視鏡手術で医師がイライラする点
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8K内視鏡ならば空間を確保できると説明
8K内視鏡ならば空間を確保できると説明
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 メディカル・イメージング・コンソーシアム(MIC)は2014年1月24日、東京都内で記者会見を開催し、8K×4K(8K)の映像信号、いわゆる「スーパーハイビジョン」を適用した内視鏡手術の動物実験に成功したことを発表した(関連記事)。「世界初の成果」(同コンソーシアム 理事長で、国立成育医療研究センター 社会・臨床研究センター 副センター長・医療機器開発部長の千葉敏雄氏)だと説明する。

 動物実験は2013年12月7日に実施した。「ヒトの臓器に極めて近い」(千葉氏)というブタを使って実験した。実験で得られた8K内視鏡手術の成果は、大きく三つあるとする。すなわち、(1)内視鏡で微細手術ができる、(2)モニターがテレビ顕微鏡になる、(3)腹腔内での空間が生まれる、である。

 (1)の微細手術については、例えば、通常は顕微鏡手術で使用する太さ0.02~0.029mmの糸も肉眼で見られるという。この他、これまでのHD内視鏡では見えなかった肝臓の細い血管の断面も見ることができたとする。

 (2)のテレビ顕微鏡については、8K内視鏡で撮影した一部を拡大しても鮮明な画像が得られるため、「サージカルルーペ」のような拡大鏡を装着せずに手術することができるという。

 (3)の腹腔内での空間については、内視鏡を患部に近付けなくても鮮明な映像が得られるため、空間を確保でき、内視鏡と手術器具とぶつかるといった「これまで医師がイライラしていたこと」(千葉氏)を解消できると説明する。