NECは、「NEC神奈川データセンター」を、2014年1月27日に神奈川県内に開設した(ニュース・リリース)。同日に同データセンターの一部を国内報道機関に公開し、同センター向けに新規開発した専用のサーバーなどを披露した(図1)。
公開時に行われたプレゼンテーションに登壇した同社の畔田秀信氏(C&Cクラウド基盤戦略本部 本部長)によれば、NECは国内に59のデータセンターを持つが、神奈川データセンターはフラッグシップ的な役割を担うという。同センターの総床面積は2万m2、サーバー・ルームのそれは1万m2と、同社のデータセンターの中では最大規模。さらに最新の技術や設備を投入した。
名称の通り神奈川県内にはあるが、他のデータセンターと同様に詳細な場所は非公開。畔田氏の説明によれば、自然災害の受けにくい立地とのことだった。最も近い活断層からは9km、最も近い海岸からは30km、最も近い河川からは2~3km離れていて、神奈川県のハザードマップの被害想定区域外だという。建物は耐震構造で、サーバールームは床免震構造を採る(図2)。大地震により500ガルの揺れがあっても、サーバーの揺れは200ガルに抑えられるとする。
また、電気設備や空調設備は2重化などの冗長構成を採る(図3)。安全性は自然災害だけでなく、不法侵入や火災などに対しても担保されているという。例えば、不法侵入に対しては、監視カメラや金属探知ゲート、フラッパーゲート、サークルゲートなどに加えて、NECが得意とする顔認証技術を来訪者のチェックに応用している。「全体としてTier 4相当の仕様になっている」(畔田氏)。
データセンターの機能面での最大の特徴は、クラウドサービス(基本的にユーザーがハードウエアリソースを共有)とハウジング・サービス(ユーザーが独自のハードウエアリソースを保持)の両方、さらにそれらを連携したサービスを提供できることである(図4)。同社はハイブリッドなデータセンターと説明している。なお、ハウジング・サービスは2014年1月27日から始めた。クラウド・サービスの「NEC Cloud Iaas」は2014年4月から始める(Tech-On!関連記事)。