事業スキームの仕組み(出所:パナソニック)
事業スキームの仕組み(出所:パナソニック)
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 パナソニックは1月21日、エプコと株主間協定書を締結し、1月31日に、両社共同出資により、家庭用太陽光発電アグリゲーション事業に関する合弁会社を設立する、と発表した。2016年の電力小売りの全面自由化を、新たなエネルギーサービス展開の好機と捉え、合弁会社を通じて、住宅向けのエネルギーソリューションを提供する。具体的には、まずは全面自由化を待たず実現可能な事業として、住宅から太陽光発電の小規模な電力を買い取り、集約して大規模に販売する「アグリゲーション事業」という新しいビジネスモデルから展開する。パナソニックの部門では、エコソリューションズ社が主体となる。

 1月31日に設立する合弁会社は、パナソニック・エプコエナジーサービス(東京都港区)で、特定規模電気事業、電力卸売り事業、電力小売り事業、アプリケーションサービス事業などを手掛ける。経済産業省に特定規模電気事業開始について届け出る予定だ。出資額は3億円で出資比率は、パナソニック51% エプコ49%。2018年度の契約数の目標を50万件以上(太陽光発電システム設置の住宅単位)としている。同事業は、パナソニックにとって、「2018年住宅関連事業の売上2兆円に向けた非連続の成長」の事業の一つとして位置付けている。
 
 合弁会社は、固定価格買取制度に基づき、太陽光発電システムを設置している個々の住宅から、発電量予測などエネルギーマネジメントを行い、電力を買い取る。その上で、パナソニックグループで新電力の機能を担う調達部門の実績を活用し、住宅会社をはじめ、社外の企業と連携しながら電力売買事業を行う。さらに、住宅向けに多様な省エネなどのアプリケーションサービスを提供する計画だ。事業計画としては、関東と関西地域において実証実験を通じて事業オペレーション体制を確立し、2014年の夏季ごろから随時、地域別に本格展開を予定している。

 パナソニックは、住宅用太陽光発電システムやHEMS(住宅エネルギー管理システム)機器を搭載した住宅用分電盤など家庭用電力消費の統合的な低減の技術、商品を持つ。一方、エプコは、住宅向けの設備や太陽光発電関係の設計を年間約14万件処理し、コールセンターでは、約100万戸の顧客管理を手掛けているほか、住宅会社と連携可能なHEMSアプリケーションや家庭向けの電力売買取引システムと電力ビックデータ処理システムを独自開発している。

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記事掲載当初、見出しの社名に誤りがありました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。