不動産大手のヒューリックは、福島県に出力2.3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設し、そこで発電した電力を本社ビル(東京都中央区)で活用する。具体的にはメガソーラーで発電した電力を新電力(PPS)のエナリスに売却し、東北電力と東京電力の送電網を使って東京の本社ビルまで託送し、ヒューリックが電気を購入・利用する。

 メガソーラーは、東京電力福島第一原子力発電所の南25kmにある福島県広野町の採石場跡地に建設する。総投資額は12億円。ヒューリックの本社ビルでは、電力需要の約5割はエナリスを通じて福島県のメガソーラーで発電した電力を活用する。エナリスの電力は東京電力より安いため、こうした仕組みで電気代は3~4割安くなる見込みという。

 メガソーラーの電力を買い取って、都内などの需要家に販売する動きは、オリックスなどほかの新電力も乗り出している。変動制する太陽光発電の電力をほかの電源や電力会社、電力卸市場からの調達と組み合わせて、顧客の電力需要に合わせて供給するもので、欧州では水力発電の電力を主体にほぼ再生可能エネルギー電力だけを販売する電力小売会社も登場している。