今回の伝送実験の概要
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4Kディスプレイに映された映像
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撮影に利用した4Kカメラ
撮影に利用した4Kカメラ
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 次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)は2013年12月26日、2014年半ばに予定する4K(3840×2160画素)映像での衛星放送の方式に即した伝送実験を報道陣などに公開した。符号化方式などは今も改良中で、今回は中間発表という位置付けだが、「4K 60pの映像を、実際の放送の環境に即してカメラからディスプレイまで一貫して実証したのは世界で初めて」(NexTV-F)という。

 NexTV-Fが実験したのは、4Kかつ60フレーム/秒のプログレッシブ方式(60p)で、色差形式4:2:0の映像を、HEVCでリアルタイムに符号化し、8PSKを基本とする変復調方式「高度狭帯域伝送方式」を利用して4Kディスプレイに映し出すというもの。高度狭帯域伝送方式は、スカパーJSATがCS衛星放送で利用している。HEVCでの符号化は、FPGAを利用したソフトウエア・エンコーディングである。ただし、人工衛星は介さず、周波数変換を施すことで衛星放送の伝送路を模した。

 変調後のデータ伝送速度は40.5Mビット/秒。そのうち映像部分は35Mビット/秒で、「家庭にある直径45cmのパラボラアンテナで受信できる」(NexTV-F)という。

 4K映像の衛星放送実験は、スカパーJSATが既に3度実施している。4Kで60pという点は今回と共通するが、映像の色差形式は4:2:2、符号化方式はH.264、変復調方式には32APSKを利用する独自方式を利用していた。データ伝送速度は120Mビット/秒で、直径1m超の大型パラボラでないと受信できなかった。