メガソーラーの発電コスト低減シナリオ(出所:NEDO作成資料)
メガソーラーの発電コスト低減シナリオ(出所:NEDO作成資料)
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 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は12月10日、「NEDO再生可能エネルギー技術白書」の改訂版を公開した。太陽光発電についての記述を見ると、日本の太陽光発電の発電コストは、住宅用システムで1kWh当たり33.4~38.3円、メガソーラー(大規模太陽光発電所)では同30.1~45.8円と算出している。この数字は、世界の発電コストの水準(住宅・同18.2~36.5円、メガソーラー・同15.0~29.9円)と比較して、依然として高いとしている。国内の発電コストが高くなる要因には、太陽光パネルなどシステム価格が欧米などに比べて高いこと、日照条件がやや悪いことなどを挙げている。

 ただ、今後の見通しに関して、電力会社の電力料金単価を下回る「グリッドパリティ」の達成は間近だとしている。住宅システムに関しては、2017年には、家庭向けの電力料金単価(1kWh当たり23円)に達すると予測する。ただ、この段階では太陽光発電の出力変動の安定化を電力系統に依存するのが前提になっている。同技術白書では、蓄電池などを使った出力安定化システムを低コストすることで、2030年までには太陽光発電単独でのグリッドパリティを目指すという。

 メガソーラーなど非住宅用に関しては、現在のコストダウン基調に、NEDOが実施する次世代プロジェクトの成果を加味することで、2020年頃には、業務用の電力料金単価(同14円)と同水準の発電コストを達成する見込みという。その後さらに発電コストを下げて基幹電力並みにするには、「セル・モジュールの低コスト化、高効率化」に加え、「周辺機器・部材の低コスト化、長寿命化」、「システム効率の向上」、「運用・保守技術の高効率、低コスト化」などの革新的な技術開発が必要としている。