説明会のMamoon Rashid氏 Tech-On!が撮影。
説明会のMamoon Rashid氏 Tech-On!が撮影。
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 すでに記事で紹介したように(Tech-On!関連記事1)、米ON Semiconductor社は日本における事業説明会を報道機関向けに2013年11月7日に開催した。同社の日本における事業戦略は三洋半導体の買収で大きく変化している。

 その買収に関して、日本では三洋電機による売却の側面が主に報道されてきた(Tech-On!関連記事2)。実際、ON Semi側の事情はなかなか伝わってこず、三洋半導体を買収した理由はずっと気になっていた。当たり前だが、11月の説明会でも、基本的には「これからどうしていくか」がメインの話題で、過去についてはあまり触れられなかった。

 今回、買収の理由などの質問を、説明会に登壇したSenior Vice PresidentのMamoon Rashid氏に文書で行った。同氏から文書で返事が来たので、それを以下に紹介する。

長期的なM&A戦略に沿う

 第1問は、「三洋半導体を買収した理由」である。これに対する答えは以下の通り。「買収した理由はいくつかある。まず、当社の長期のM&A戦略だ。それは、当社の製品ポートフォリオを拡大するために、主要エンド・マーケット向けに当社の製品群を補完する技術や製品を増やすというものである。三洋半導体の買収は、このM&A戦略に則していた。第2の理由は、三洋半導体の買収は、当社の日本における存在感の強化、顧客増加、マーケットシェアを上げることにつながると考えたことである」(Rashid氏)。

 第2問は、「三洋半導体を買収して良かった点」である。これに対する答えは以下の通り。「三洋半導体を買収後、当社の日本における売上が増加したことである。例えば、当社の日本における売上は毎四半期に約3-4%増だったが、2013年の第3四半期には10%に増になった。全三洋半導体製品の日本国外向けクロス・セリングプログラムと日本での従来のON Semiconductor製品の売り上げで牽引した」(同氏)。