スパンション・イノベイツ 代表取締役社長の後藤信氏
スパンション・イノベイツ 代表取締役社長の後藤信氏
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Spansion社の概要
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IoT市場を狙う
IoT市場を狙う
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FM4、FM3、FM0+で幅広い用途をカバー
FM4、FM3、FM0+で幅広い用途をカバー
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新たに投入するFM0+
新たに投入するFM0+
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 米Spansion社は2013年11月18日、東京都内で記者会見を開催し、IoT(internet of things)市場に向けた低電力マイコン「FM0+」ファミリを2013年12月中旬からサンプル出荷すると発表した(リリース)。また、2013年8月1日付けで富士通セミコンダクターから買収したマイコン・アナログ事業についても説明した(関連記事)。

 IoT市場では、バッテリー駆動型の機器から据置型の産業機器まで幅広い用途に対応する必要がある。このため、Spansion社では富士通セミコンダクターから引き継いだマイコン「FM」ファミリにおいて、低電力向けから高性能向けまで幅広い製品ラインアップを用意する。既に英ARM社の「Cortex-M4」コアを搭載した高性能向け「FM4」シリーズ、「Cortex-M3」コアを搭載したミッドレンジ向けの「FM3」を製品化しているが、今回「Cortex-M0+」コアを搭載した低電力向け「FM0+」を追加した。2014年第1四半期に量産を開始する。

 FM4、FM3、FM0+はいずれも富士通セミコンダクター時代に開発した技術をベースにした製品であり、三重工場の90nm世代プロセスで製造する。今後はFM4、FM3、FM0+のそれぞれを40nm世代に微細化する。2015年には、Spansion社が強みとする混載フラッシュ・メモリ技術「Embedded Charge Trap(eCT)」を使った40nm世代のマイコンを市場投入するという。eCTはシステムの低電力化に有効であり、「IoT市場を開拓する上で大きな強みになる」(スパンション・イノベイツ 代表取締役社長の後藤信氏)という。

 三重工場は55nm世代までの製造に対応しているが、競合他社が40nm世代のフラッシュ・マイコンを市場投入しているため、「55nm世代はスキップする可能性が高い」(後藤氏)という。また、40nm世代のeCT技術に関しては、台湾United Microelectronics Corp.(UMC)と共同開発を進めており、「2015年に投入する40nm世代フラッシュ・マイコンの製造委託先は、UMCが有力な候補になる」(後藤氏)という。