説明会の様子。左から順にVivek Jain氏、Matthew Murphy氏、滝口修氏
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売上高の推移と内訳
売上高の推移と内訳
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自動車分野に注力
自動車分野に注力
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生産委託比率を高めた
生産委託比率を高めた
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 アナログ半導体メーカーの米Maxim Integrated社は2013年11月14日、報道機関向けの事業戦略説明会を東京都内で開催した。同社が強調したのは日本市場をテコに「自動車分野のビジネスを拡大する」(マキシム・ジャパン 代表取締役社長の滝口修氏)という戦略。これまでの主力分野であるモバイル機器で培った技術や、社内外のファブを使い分ける柔軟性の高いサプライ・チェーンがその際の強みになると訴えた。

 説明会では日本法人社長の滝口氏に加えて、米国本社から来日した二人の幹部社員が登壇した。通信と自動車分野の事業を統括するMatthew Murphy氏(Senior Vice President, Communications and Automotive Solutions Group)と製造部門のトップであるVivek Jain氏(Senior Vice President, Manufacturing Operations)である。両名とも今回は、日本の自動車業界の「キー・カスタマーの訪問を含む来日」(滝口氏)だという。

 登壇したMurphy氏は「当社の自動車分野の売上高は現状では小さく、産業機器分野などと併せて売上高を開示している。今後は自動車分野への注力度を高め、単独で大きな売上高が立つ事業に育てたい」と意欲を示した。その戦略においては、強い完成車メーカーや1次部品サプライヤ(Tier1)が多く存在する日本が重点市場になるという。Maxim社はかねてモバイル機器向け高集積アナログICを得意としており、全社売上高の約半分をモバイル分野が占める。ただし自動車分野はアナログ半導体メーカーにとって、モバイル分野をしのぐ成長率が見込める市場ととらえているという。

 自動車分野を攻略する上では「モバイル分野を手掛けていることが重要な価値を持つ」(Murphy氏)とする。「モバイルの技術が自動車にドンドン投入されるようになってきた」(同氏)ためだ。同社は自動車分野における(1)環境対応、(2)安全性の向上、(3)ネットとの接続というトレンドに沿うソリューションを、モバイル分野で培った強みを生かして構築する考え。そうしたソリューションに向けた製品としては、バッテリ監視用ICやUSBチャージャー用DC-DC変換器IC、キーレス・エントリ用IC、映像の高速シリアル伝送用ICなどがあると説明した。