ISSCC Far East Regional Subcommitteeの面々
ISSCC Far East Regional Subcommitteeの面々
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 半導体集積回路技術に関する国際会議「International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)2014」(2014年2月9~13日、米国サンフランシスコ)のFar East Regional Subcommittee(極東地区委員会)は2013年11月5日、東京都内で記者会見を開き、ISSCC 2014の概要について説明した。プログラムなど一連の情報は11月中に解禁になる(Webサイト)。参加人数は前回と同等の約3000人を見込んでいる。

 最近2年間は採択論文数で日本を含むアジアが首位をキープしていたが、今回は3年ぶりに北米が首位に返り咲いた。前回は採択論文が1件もなかった米Intel社が、今回は8件の発表を行うことが効いている。「研究開発の進捗とその発表のタイミングとの兼ね合いで、今後も開催年度によって地域別採択比率は変化するだろう。アジアについては、投稿論文数は増加傾向にあり、今後も期待できる」(Far East Chairを務める有本和民氏)。

 投稿論文数は前回の629件から微減の619件、採択論文数は同3件減の206件となった。採択率は33.3%と平年並みである。地域別の採択論文数では、北米が84件(前回比5ポイント増の41%)と首位を奪還した。アジアは75件(同4ポイント減の36%)、欧州は47件(同1ポイント減の23%)である。

 採択論文数を国/地域別にみると、首位が米国の82件(前回は73件)、2位が日本の25件(同30件)、3位が韓国の23件(同22件)、4位がオランダの16件(同21件)、5位が台湾の15件(同19件)である。組織別では、ベルギーIMECと米University of Californiaがともに11件で首位、Intel社と韓国KAIST、米University of Michiganがともに8件で同率3位、米Broadcom社と台湾MediaTek社がともに7件で同率6位。日本勢トップは東芝(5件で全体の9位)である。

 ISSCCは今回で61回目を迎え、全体テーマは「Silicon Systems Bridging the Cloud(クラウドを支えるシリコンシステム)」である。基調講演は4件が予定されている。MediaTek社Chairman and CEOのMing-Kai Tsai氏が“Cloud 2.0 Clients and Connectivity”と題して講演する他、2013年度のノーベル物理学賞の受賞対象となったヒッグス粒子について、その存在証明に集積回路技術が果たした役割などについてスイスCERNが講演する。