図1●「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」の竣工式。左から、鹿児島メガソーラー発電の北村信夫社長、竹中工務店の竹中統一会長兼CEO、京都銀行の高崎秀夫頭取、鹿児島銀行の上村基宏頭取、九電工の西村松次社長、KDDIの小野寺正会長、IHIの釡和明会長、京セラの久芳徹夫会長、京セラの稲盛和夫名誉会長(撮影:日経BP)
図1●「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」の竣工式。左から、鹿児島メガソーラー発電の北村信夫社長、竹中工務店の竹中統一会長兼CEO、京都銀行の高崎秀夫頭取、鹿児島銀行の上村基宏頭取、九電工の西村松次社長、KDDIの小野寺正会長、IHIの釡和明会長、京セラの久芳徹夫会長、京セラの稲盛和夫名誉会長(撮影:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
図2●竣工式を前に、太陽光発電を学ぶ見学施設で発電の状況を確認する、京セラの稲盛和夫名誉会長(右)。左は、鹿児島メガソーラー発電の北村信夫社長(撮影:日経BP)
図2●竣工式を前に、太陽光発電を学ぶ見学施設で発電の状況を確認する、京セラの稲盛和夫名誉会長(右)。左は、鹿児島メガソーラー発電の北村信夫社長(撮影:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
図3●約29万枚もの太陽光パネルが整然と並んだ風景を一望できる(撮影:日経BP)
図3●約29万枚もの太陽光パネルが整然と並んだ風景を一望できる(撮影:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
図4●「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」の航空写真(提供:京セラ)
図4●「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」の航空写真(提供:京セラ)
[画像のクリックで拡大表示]
図5●見学施設の外観(撮影:日経BP)
図5●見学施設の外観(撮影:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 京セラグループを中心とする鹿児島メガソーラー発電(鹿児島県鹿児島市)は11月4日、鹿児島県鹿児島市七ツ島に建設した、出力約70MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」の竣工式を開催した(図1)。現在稼働している国内最大規模のメガソーラーは、日揮グループが大分県大分市青崎に建設し、2013年5月に発電を開始した約26.5MWの「日産グリーンエナジーファームイン大分」だったが、七ツ島の約70MWという規模は、これを大幅に上回った。

 竣工式には、京セラの稲盛和夫名誉会長が出席し、「当社で太陽光パネルに取り組み始めた頃の微弱な発電デバイスから、よくここまで到達した」と、感慨深げに挨拶した(図2)。稲盛名誉会長のほか、発電事業者となる鹿児島メガソーラー発電の北村信夫社長、鹿児島メガソーラー発電の出資企業7社から、京セラの久芳徹夫会長、KDDIの小野寺正会長、IHIの釡 和明会長、九電工の西村松次社長、鹿児島銀行の上村基宏頭取、京都銀行の高崎秀夫頭取、竹中工務店の竹中統一会長兼CEOと、それぞれの企業トップが顔を揃えた。竣工式への出席者は119名。

 七ツ島のメガソーラーは、鹿児島湾に面した埋立地に建設され、敷地面積は約127万m2。外周は約4.3kmあり、歩いて一周すると約1時間30分かかるほどの広さになる。土地は、IHIの工場跡地を活用した。IHIは出資者としてメガソーラー事業に参画するとともに、約20年間にわたって土地の賃貸料を得る。

 設置した京セラ製の多結晶シリコン太陽光パネルは約29万枚に達する(図3~4)。パワーコンディショナー(PCS)はドイツSMAソーラーテクノロジー社製で、500kW機を140台設置した。欧米のメガソーラーでの実績が豊富なSMAソーラーテクノロジー社製が、現時点で国内最大規模となったメガソーラーに採用されたことになる。同社日本法人によると、国内で約500台の受注実績があるという。

 建設は、京セラソーラーコーポレーション(京都府京都市)、九電工、竹中工務店の3社が担当した。着工から竣工まで、1年2カ月間の短工期を実現するために、ピーク時には1日に約450人の作業員を動員するなど、延べ約7万8000人が従事した。

 年間の予想発電量は、一般家庭の電力使用量約2万2000世帯分に相当する、約7万8800MWh。発電した電力は全量を九州電力に売電する。鹿児島県内の電力需要の2.2%を賄えるという。

 建設費など総事業費は約270億円とみられ、発電事業者となる鹿児島メガソーラー発電に、京セラをはじめとする7社による43億円の出資のほか、残りの資金は、みずほ銀行を幹事とするプロジェクトファイナンスで調達した。 

 今回の七ツ島のメガソーラーには、一般向けに、太陽光発電を学ぶ見学施設を併設している(図5)。展望台では、桜島を前に、約29万枚もの太陽光パネルが整然と並ぶ光景を一望できる。その風景は、まさに圧巻で、鹿児島の新名所になりそうだ。

■変更履歴
掲載当初、京セラの稲盛和夫名誉会長の表記を一部、「稲森名誉会長」と誤記していました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2013/11/05 16:01] 第4段落で「パワーコンディショナー(PCS)はドイツSMAソーラーテクノロジー社製で、日本のメガソーラーでは初採用と見られる。550kW機を140台設置した」としていましたが,「パワーコンディショナー(PCS)はドイツSMAソーラーテクノロジー社製で、500kW機を140台設置した」です。また、第4段落・最後の文に「SMAソーラーテクノロジー社製が、現時点で国内最大規模となったメガソーラーに採用されたことで、今後、日本での採用が進むかどうか注目される」としていましたが、「SMAソーラーテクノロジー社製が、現時点で国内最大規模となったメガソーラーに採用されたことになる。同社日本法人によると、国内で約500台の受注実績があるという」でした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2013/11/6]