図1●ホンダの新型ミニバン「オデッセイ」の燃料タンク。従来モデルよりも76mm薄型化した。燃料タンクとしての厚みは最大部で150mmと薄い。
図1●ホンダの新型ミニバン「オデッセイ」の燃料タンク。従来モデルよりも76mm薄型化した。燃料タンクとしての厚みは最大部で150mmと薄い。
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図2●燃料タンクの裏面。燃料ポンプ周辺に燃料をためられるように、タンク内側に向かって底面の一部を食い込ませて壁を形成している。
図2●燃料タンクの裏面。燃料ポンプ周辺に燃料をためられるように、タンク内側に向かって底面の一部を食い込ませて壁を形成している。
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 ホンダが2013年11月1日に発売する新型ミニバン「オデッセイ」「オデッセイ アブソルート」では、車室内の高さを1325mmに拡大して広い空間を実現している。その実現に大きく貢献したものの1つが燃料タンクの薄型化だ(図1)。

 燃料タンクの厚みを最大部で150mmと、従来モデルよりも76mm、「ステップワゴン」よりも50mm薄くした。さらに排気管とリアのサスペンションの厚み(クルマの高さ方向)を薄くして、低床化を図り、2列目のステップ高を約30cmまで下げている。

 自動車の燃料タンクでは、坂道やコーナリングの際に燃料がどうしても端に寄る。タンクの容量が同じ場合、タンクの厚みが薄い(タンクの投影面積が大きい)ほどもともとの油面の高さが低いため、クルマの傾きや遠心力で燃料が端に寄ると、燃料ポンプで燃料を吸い上げにくい状況になりがちだ。新型オデッセイでは、そうした状況を回避するために、燃料ポンプ内に燃料をためておける空間を設けるとともに、燃料タンクの底面の一部を内側に食い込ませ、それにより壁を造って燃料ポンプの周辺に燃料ためられる空間を設けた(図2)。