図1 周囲360度の写真を撮影できるデジタル・カメラ「RICOH THETA」
図1 周囲360度の写真を撮影できるデジタル・カメラ「RICOH THETA」
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 リコーイメージングは2013年10月25日、シャッターを1回切るだけで周囲360度の写真を撮影できるデジタル・カメラ「RICOH THETA」を同年11月8日に日本で発売することを発表した(図1、発表資料)。価格はオープンで、同社の直販オンライン・ショップでの価格は4万4800円。

 同年9月に開催された欧州最大の家電展示会「IFA 2013」で発表されたもの( Tech-On! 関連記事)。既に、米国と英国、フランス、ドイツで販売を開始している。価格は、米国では399.95米ドル、英国では329ポンド、フランス/ドイツでは399ユーロ。

180度超の広角レンズが肝


 RICOH THETAは、「超小型二眼屈曲光学系」と呼ぶ光学系を採用することで全天球(360度)の撮影を実現している。画角が180度以上と超広角の魚眼レンズを2個備える(図2)。撮像素子も2個内蔵しており、魚眼レンズを通った光はプリズム機構によってそれぞれの撮像素子に導かれる。

 超広角の魚眼レンズは、RICOH THETA専用に開発したものである。設計および生産は、岩手県花巻市に拠点を構えるリコー光学が担当した。RICOH THETAの製造もリコー光学が担当しており、筐体側面には「Made in Japan」の文字が刻印されている。同製品の企画を担当したリコーの生方秀直氏(総合経営企画室新規事業開発センター VR事業室室長)によれば、「RICOH THETAは、屈曲光学系のノウハウを長年蓄積してきたからこそ実現できた製品。中国メーカーなどには作れない」と胸を張る。

ボタン3個とLED3個だけ


 液晶ディスプレイを備えておらず、スマートフォンやタブレット端末などと連携させて使うことを前提とする。撮影した画像は無線LAN経由でスマートフォンに転送し、専用のアプリケーション・ソフトウエア(アプリ)で閲覧できる。指先で画像のサイズや形、構図を変えて楽しむことが可能だ(図3)。iOS向けの「RICOH THETA for iPhone」は公開済みで、Android向けは2013年末までに提供を提供を開始する予定。このほか、専用のWebサイト「theta360.com」にアップロードした画像は、「Facebook」や「Twitter」、「Tumblr」などのSNSで共有できる。

 RICOH THETAの操作系としては、3個のボタンしか搭載していない。電源のオン/オフとシャッター、そしてスマートフォンなどとの無線LAN接続用である。それぞれの状態が分かるように、ボタンのそばに計3個のLEDを備えた。外形寸法は42mm×22.8mm×129mmで、質量は95g。

図2 超広角の魚眼レンズを採用。側面には「Made in Japan」の文字も
図2 超広角の魚眼レンズを採用。側面には「Made in Japan」の文字も
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図3 撮影した画像をスマートフォンで確認している様子
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