図1 冷却ファン付きながら防水機能を備える「ARROWS Tab QH77/M」
図1 冷却ファン付きながら防水機能を備える「ARROWS Tab QH77/M」
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図2 タブレット端末として使える本体部を水中に沈めても動作する様子を見せた
図2 タブレット端末として使える本体部を水中に沈めても動作する様子を見せた
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図3 防水機能を実現した機構を説明するパネル
図3 防水機能を実現した機構を説明するパネル
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 富士通は2013年10月8日、「Windows 8.1」を搭載した個人向けパソコン「FMVシリーズ」およびタブレット端末「ARROWS Tabシリーズ」の新製品11機種を発表した(発表資料)。このうち、クラムシェル型のノート・パソコンとして使ったりキーボード部を外してタブレット端末として使ったりできる「2 in 1」型のパソコン「ARROWS Tab QH77/M」は、冷却ファン付きながら防水機能を備えるユニークな製品だ。

 12.5型のタッチ・パネル機能付き液晶パネルを備えるQH77/Mは、マイクロプロセサとして米Intel社の「Core i5-4200U」を搭載する。同プロセサは熱設計電力が15Wである。「高性能にこだわってCore i5を搭載した。Webサイトでの直販モデルではCore i7-4600Uも選択可能にした」(富士通が開催した内覧会の説明員)。

 高性能化にこだわった一方で、キーボード部を外した本体部の厚さは11.9mmに抑えた。15Wという熱設計電力は、「ファンレス(密閉型)では冷却できない水準」(説明員)である。ファンを使った強制空冷の仕組みの搭載が必須だった。

 QH77/Mは、IPX5/7/8の防水と、IP5Xの防塵に対応する。冷却ファンを使いながらも防水に対応するために、富士通は筐体内を非防水の領域と防水の領域に分けた。水が流入しても構わない部分に冷却ファンとヒート・シンクを配置し、メイン基板などの電気部品は防水の領域に配置している。非防水領域は強制空冷のための空気の通り道として利用しており、防水領域にあるマイクロプロセサから非防水領域にあるヒート・シンクに熱を移動するために、二つの領域をまたがるように設けたヒート・パイプを使っている。非防水領域は「水が内部に残りにくいように構造を設計した」(説明員)という。

 QH77/Mの主な仕様は次の通り。外形寸法は本体部が309.6mm×199.3mm×11.9mm、キーボード接続時が309.6mm×212.7mm×20.0mm。重さは本体部が約980g、キーボード接続時が約1.67kg。ディスプレイは1920×1080画素のIPS液晶パネルで、ストレージは128GバイトのSSD。メイン・メモリ容量は4Gバイト。電池容量は46Whで、タブレット端末として利用したときの電池駆動時間は約16時間である。