福島再生可能エネルギー研究所の体制図(出所:産業技術総合研究所)
福島再生可能エネルギー研究所の体制図(出所:産業技術総合研究所)
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 産業技術総合研究所(産総研、茨城県つくば市)は10月1日、福島県郡山市に「福島再生可能エネルギー研究所」を設立する。産総研は、郡山市内の西部第2工業団地に新設する同研究所の建物を建築中で、2014年4月に完成・稼働する予定。それに先立ち、新研究の組織を設立する。福島に再生可能エネルギーの研究拠点を設置することは、政府の東日本大震災復興基本法に基づいて制定された復興に関する基本方針で掲げられていた。

 福島再生可能エネルギー研究所は、再生可能エネルギーの大量導入に向け、研究内容として以下の6つのテーマを掲げている。(1)再生可能エネルギーネットワーク開発・実証、(2)水素キャリア製造・利用技術、(3)高効率風車技術およびアセスメント、(4)薄膜結晶シリコン太陽電池モジュール技術、(5)地熱発電の適正利用のための技術、(6)地中熱ポテンシャル評価とシステム最適化技術。

 これまで産総研は、高効率の次世代型太陽電池技術など、相対的に見ると要素技術の研究・開発が中心だった。新研究所では、エネルギー貯蔵技術など再生可能エネルギーを大量導入した場合の電力システムの課題を研究テーマに掲げた。メガソーラー時代に向けてシステム技術の重要性が再認識されたともいえる。