半導体デバイス 半導体デバイスの最新情報・トレンドを知る
 

「メモリは復活、ディスクリートとシステムLSIは道半ば」、東芝が半導体/ストレージ事業の説明会

大下 淳一=日経BP半導体リサーチ
2013/09/12 06:00
印刷用ページ
東芝四日市工場の第5製造棟の完成イメージ
東芝四日市工場の第5製造棟の完成イメージ
[クリックすると拡大した画像が開きます]

 東芝は2013年9月11日、セミコンダクター&ストレージ社の事業説明会を東京都内の本社で開催し、東芝 執行役上席常務でセミコンダクター&ストレージ社社長の成毛康雄氏が登壇した。半導体事業が巨額赤字に陥った2008年度に比べて、足元では「メモリは復活したが、ディスクリート半導体とシステムLSIは道半ば」(成毛氏)という。今後、稼ぎ頭のNANDフラッシュ・メモリ事業の優位性を保つことに加えて、伸び悩んできたディスクリート半導体やシステムLSIでも「売り上げの拡大に全力を投じる」(同氏)。同社は2012~2015年度の半導体市場の年平均成長率を3.6%と予測しており、これをしのぐ年平均成長率6.8%のペースで半導体売上高を拡大させる計画だ。

 セミコンダクター&ストレージ社が手掛ける分野は「メモリ」「ストレージ」「ディスクリート」「システムLSI」に大別される。このうちシステムLSIは最近、「ミックスドシグナルIC」と「ロジックLSI」の二つに事業部を分けた。加えて、従来はシステムLSI事業部が担当していたCMOSイメージ・センサをメモリ事業部に組み込んだという。

 メモリ事業の主力はNANDフラッシュ・メモリである。ここでは「微細化限界を乗り越えて3次元メモリでもリードし、優位性を絶対にキープする」(成毛氏)との覚悟を示した。当面は3ビット/セル(TLC)比率の拡大や、現行の19nm第2世代(1Ynm世代)に続く1Znm世代への微細化により、ビット・コストを低減する。その後はメモリ・セルを3次元方向に多段積層する3次元メモリ「BiCS」へ移行し、コスト低減を維持するとした。

 このうち、1Znm世代品は2014年度に出荷する。BiCSは第1世代品のサンプル出荷を2013年度末に始め、2014年度にサンプル品を市場に浸透させたうえで、2015年度をメドに量産する計画だ。BiCSにおけるメモリ・セルの積層数は30層以上を想定している。

 ストレージ事業では、従来の主力だったパソコン向けのHDD(クライアントHDD)から、サーバー機などに向けるエンタープライズHDDやSSDへ重心を移す。大容量ストレージとして使うSSDやHDDに加え、プロセサ/DRAMと大容量ストレージの間を埋めるキャッシュ用途のSSDにも力を入れるという。これらのエンタープライズ用途では、PCI Expressインタフェースを備える高速のSSDを市場投入する考えである。ストレージ事業におけるエンタープライズHDDおよびSSDの売上高比率は、2012年度には25%だったが、2015年度には50%まで高めるとしている。

 ディスクリート事業では、白色LEDとパワー・デバイスに注力する。このうち、白色LEDでは一般的に用いられるサファイア基板ではなくSi基板を使う低コスト品を強みに「出遅れを急速に巻き返す」(成毛氏)考え。発光特性はサファイア基板品と同等の水準にまでなったという。パワー・デバイスについては、現行のSi系パワーMOSFETの特性改善を進めるとともに、GaN on Si技術をベースとするGaNデバイスや、SiCデバイスの事業を立ち上げていく。ディスクリート事業における白色LEDおよびパワー・デバイスの売上高比率は、2012年度には50%だったが、2015年度には70%まで高める。

 ミックスドシグナルIC事業では、画像処理LSIやディスクリート半導体との融合製品などを主力として、車載・産業用途を開拓する。同事業における車載・産業用途の売上高比率を、2012年度の30%から2015年度には50%まで高める考えだ。ロジックLSI事業では「製品分野を絞って利益を上げていく」(成毛氏)という方針のもと、アプリケーション・プロセサ周りで使うLSIに重心を移す。具体的には、アプリケーション・プロセサの機能を補完するコンパニオンLSI「ApP Plus(Application Processor Plus)」や各種センサとのインタフェースを担うフロントエンドLSI「ApP Lite(Application Processor Lite)」、ASICとFPGAの中間的な機能を提供するストラクチャード・アレイ/ゲートアレイ「FFSA(Fit Fast Structured Arrays)」などである。ロジックLSI事業におけるこれら3製品の売上高比率は、2012年度にはほぼゼロだったが、2015年度には一挙に70%まで高める。

ここから先は日経テクノロジーオンライン有料会員の方のみ、お読みいただけます。
・会員登録済みの方は、左下の「ログイン」ボタンをクリックしてログイン完了後にご参照ください。
・会員登録がお済みでない方は、右下の「有料会員に申し込む」ボタンをクリックして、申し込み手続を完了させてからご参照ください。

<技術者塾>
電源制御と主回路の定式化手法(2日間)
~状態平均化法によるコンバータの伝達関数の導出と制御設計の基礎について事例を基にわかりやすく解説~



これまでの電源設計の教科書にはない新しい見地から基礎理論および実践例について解説するとともに、「系の安定度」の問題点と解決手法についても解説します。今年3月に発刊した「スイッチング電源制御設計の基礎」(日経BP社刊)をベースに最新の内容を解説いたします。詳細はこちら

【日時】:2015年9月28~29日 10:00~17:00 (開場9:30)予定
【会場】:化学会館(東京・御茶ノ水)
【主催】:日経エレクトロニクス

マイページ

マイページのご利用には日経テクノロジーオンラインの会員登録が必要です。

マイページでは記事のクリッピング(ブックマーク)、登録したキーワードを含む新着記事の表示(Myキーワード)、登録した連載の新着記事表示(連載ウォッチ)が利用できます。

協力メディア&
関連サイト

  • 日経エレクトロニクス
  • 日経ものづくり
  • 日経Automotive
  • 日経デジタルヘルス
  • メガソーラービジネス
  • 明日をつむぐテクノロジー
  • 新・公民連携最前線
  • 技術者塾

Follow Us

  • Facebook
  • Twitter
  • RSS

お薦めトピック

日経テクノロジーオンラインSpecial

記事ランキング