図1●WiGig CERTIFIEDのロゴ
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図2●Wi-Fi CERTIFIEDとWiGig CERTIFIEDを統合する製品の統合ロゴ
図2●Wi-Fi CERTIFIEDとWiGig CERTIFIEDを統合する製品の統合ロゴ
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図3●4K映像のWiGig転送デモの様子
図3●4K映像のWiGig転送デモの様子
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図4●Wi-Fi(IEEE 802.11n)とWiGig(IEEE 802.11ad)の速度比較の様子
図4●Wi-Fi(IEEE 802.11n)とWiGig(IEEE 802.11ad)の速度比較の様子
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 無線LAN機器に関する業界団体であるWi-Fi Allianceは、2013年9月10日(米国時間9日)、無線通信規格「WiGig」の認定ブランド名を「WiGig CERTIFIED」とすること、認定製品につけるロゴを発表した(図1、図2)。同日には東京都内で、Wi-Fi Alliance Marketing and Program Management DirectorのKelly Davis-Felner氏が会見し、認定製品は2014年に市場へ出ることを明らかにした。

 WiGigは60GHz帯を使う無線LAN仕様「IEEE802.11ad」をベースにした通信規格であり、通信速度は最大7Gビット/秒(理論値)。2.4GHz帯の「IEEE802.11g/n」や5GHz帯の「IEEE802.11ac」と比べて、通信距離よりも速度を重視している。応用としてパソコンとディスプレイ間のケーブル代替などを想定している。

 今後の多くの無線LAN機器は、「IEEE802.11ad」だけでなく、「IEEE802.11g/n/ac」と組み合わせて利用される。「IEEE802.11ad」部分を個別に認証するのは非効率だ。今回の認定によって、「IEEE802.11ad/g/n/ac」をまとめて認証できるようになる。

 認定製品は相互通信が可能になるほか、「IEEE802.11ad」から「IEEE802.11ac」または「IEEE802.11g/n」への自動切り換えができる。WiGigの範囲から離れても自動的にWi-Fiへとシームレスに切り換わる。

 Felner氏はWiGigの今後の展開について、「USB Implementers Forum(USB-IF)やVideo Electronics Standards Association(VESA)など他の業界団体とも連携しており、メディア非依存のUSB仕様や、DisplayPortを使用した製品認定を行っていく」とも語った。

 また、発表会場ではWiGigを使った二つの無線伝送の実演を無線通信のためのチップセットを開発する半導体企業である米Wilocity社の日本代表の西村文克氏が行った。

 一つは、WiGigによって無線でディスプレイに4K(3840×2160画素)の映像信号を送るというもの。実演では映像が途切れることなく表示できることを見せた(図3)。もう一つは、Wi-Fi(IEEE 802.11n)とWiGig(IEEE 802.11ad)で同一データの転送を行い通信速度を比べるというもの。WiGigは数十Mバイト/秒前後とWi-Fiの10Mバイト/秒前後より数倍速かった(図4)。