JASIS 2013が開催
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新設されたメディカルイノベーションゾーン
新設されたメディカルイノベーションゾーン
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会見に登壇した岩瀬氏
会見に登壇した岩瀬氏
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 日本分析機器工業会(JAIMA)と日本科学機器協会(JSIA)は、2013年9月4~6日に分析・科学機器の祭典「JASIS 2013」を幕張メッセで開催した。会期初日に開催した記者会見では、展示会場に「メディカルイノベーションゾーン」を新設したことを強調。分析・科学機器にとっての新たな市場と期待される先端診断分野への展開を、同展示会を通して先導していく考えを示した。

 会見に登壇した、JAIMA 国際委員会 副委員長でメディカルイノベーション担当 主査の岩瀬壽氏は、分析・科学機器の用途の推移について説明。「当初、理化学機器と呼ばれていた分析・科学機器は、最近まで研究支援機器、バイオ支援機器として使われてきた。これに加え、今後は先端診断機器としても活用されていく見込みだ」(同氏)とした。

 先端診断とは、具体的には次のようなものを指すと説明する。すなわち、遺伝子診断、コンパニオン診断(医薬品の有効性や副作用を予測するために実施する検査)、バイオマーカー診断、先端イメージング、通信インフラによるポータル臨床検査、などである。

 今回の企画は、こうした新規市場の開拓を先導していくために新設したものだと岩瀬氏は語る。「分散した企業、アカデミアのベクトルを統合し、新たな産業プラットフォームを構築することで、市場開拓のスピードを速めたい」(同氏)。さらに、先端診断を分析・科学機器にとっての新規市場と明確に打ち出すことによって、従来の分析・科学機器産業以外の企業や研究機関などからの参画や、政府機関・各種規制との連携などを加速させる狙いもあるとする。

 実際、今回のメディカルイノベーションゾーンには25社が出展したが、このうちJAIMAとJSIAの会員企業は3社のみだったという。岩瀬氏は「分析・科学機器とは異なる業界からの出展が想定よりも多かった。出展募集も、早期に打ち止めしたほどだ」と、今回の企画への手ごたえを語った。JAIMAとJSIAでは今後、先端診断分野の市場創出に向けた産業プラットフォームとなり得る委員会を立ち上げる意向だ。