決算を発表する松山氏
決算を発表する松山氏
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 三菱電機は2013年7月31日、同年度第1四半期(2013年4~6月期)の連結決算を発表した(決算資料のページ)。売上高は前年同期比7%増の8348億円、営業利益は同27%減の341億円だった。純損益は前年同期比16%減の254億円。すべての事業セグメントで増収となったが、大口案件の減少や開発費の増加などにより減益となった。「欧州の景気停滞や中国の景気減速の一方で、日米の景気が底堅く推移したことに加え、円安によって経営環境は緩やかに改善している」(常務執行役 取締役 経理部長の松山彰宏氏)。円安による業績押し上げ効果は「売上高で約670億円、営業利益ではその20%ほど」(同氏)である。円安の影響を除けば、前年同期比で約150億円の減収になるという。

 6つの事業セグメントのうち、「重電システム」は売上高が前年同期比5%増の2161億円、営業利益が同35億円減の148億円となった。社会インフラ事業の受注は好調だったが、国内電力事業の大口案件の減少などによって減収となった。一方、ビル事業は国内や中国などで昇降機事業が好調だったことなどから増収となった。

 「産業メカトロニクス」は、売上高が前年同期比7%増の2397億円、営業利益が同60億円減の150億円となった。中国や韓国でスマートフォンや液晶パネル関連の設備投資が回復したことや円安の影響で、FAシステムが好調だった。自動車用機器も、北米の新車販売の回復や円安の影響で増収となった。自動車用機器の受注は「2013年5月からは前年同期を上回っている」(松山氏)という。減益の要因は、自動車などにおける機種構成の変動や、開発費の増加などである。

 このほか、「情報通信システム」と「家庭電器」は減益、「電子デバイス」と「その他」は増益となった。とりわけ好調だったのが、パワー半導体を中心とする電子デバイスである。前年同期の損益はブレークイーブンだったが、今期は需要増や円安の影響で11億円の営業黒字となった。