東芝 代表執行役副社長の久保誠氏
東芝 代表執行役副社長の久保誠氏
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増収増益を達成
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セグメント別の業績
セグメント別の業績
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半導体部門の内訳
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 東芝は2013年7月31日、2013年度第1四半期(2013年4~6月)の連結決算を発表した(リリース説明会の資料)。売上高は対前年同期比10%増の1兆3906億円、営業利益は同112%増の243億円、純損益は同174億円改善して53億円の黒字に転換した。

 セグメント別の業績を見ると、デジタル・プロダクツ部門が減収減益、電子デバイス部門が増収増益、社会インフラ部門が増収減益、家庭電器部門が増収減益となった。「デジタル・プロダクツ部門の不振を電子デバイス部門が補った」(東芝 代表執行役副社長の久保誠氏)形である。

 デジタル・プロダクツ部門は、液晶テレビの販売が欧米を中心に減少したほか、パソコンの全般的な需要低迷の影響を受けた。部門全体の売上高が対前年同期比1%減の3345億円、営業損益が同130億円悪化の163億円の赤字となった。テレビとパソコンは需要減と円安によって営業損益が悪化しており、テレビは約100億円の赤字、パソコンは約80億円の赤字とする。円安による影響はテレビとパソコンの合計で約60億円という。

 電子デバイス部門では、スマートフォン向けなどを中心にNANDフラッシュ・メモリの需要が好調に推移したほか、2012年12月に連結子会社化したマスク描画装置メーカー、ニューフレアテクノロジーの売り上げも貢献した。部門全体の売上高が対前年同期比34%増の4115億円、営業利益が同385億円改善の479億円となり、全社業績を支えた。

 社会インフラ部門では、国内の火力発電システムが減収となったものの、海外の原子力発電や太陽光発電事業が好調で、エレベータや医用システムも堅調に推移した。また、自動車向け事業も伸長し、部門全体の売上高は対前年同期比8%増の5403億円となった。一方、営業利益は同69億円減の11億円だった。

 家庭電器部門では、円安の影響を受けたほか、国内の白物家電事業が不振だったという。このため、売上高は対前年同期比2%増の1449億円と増収を達成したものの、営業損益は同61億円悪化して60億円の赤字となった。

 2013年度通期の業績見通しは、2013年5月8日の発表から変更していない。売上高は対前年度比5%増の6兆1000億円、営業利益は同34%増の2600億円、純利益は同29%増の1000億円を見込む。