NECは、スマートフォン事業から撤退する(発表資料)。同事業は現在、NECカシオモバイルコミュニケーションズが担っているが、2013年7月31日付けで新規開発を中止し、販売中の機種をもって生産と販売を終了する。ただし、フィーチャーフォンの開発と埼玉日本電気での生産は継続する。埼玉日本電気は今後、フィーチャーフォンの生産に加え、無線モジュールなど社会ソリューション事業に関する製品の生産も担っていく。なお、NECが手がけているタブレット端末事業も継続する。

 NECのスマートフォンとフィーチャーフォンの出荷比率は現在、ほぼ1/2ずつとなっている。スマートフォンは今後も競争の激化が予想されるが、フィーチャーフォンは今後ある程度の寡占状態となり、利益が確保しやすくなるとみられることから、事業継続を決めたという。

 NECカシオモバイルコミュニケーションズの従業員は2013年4月時点で約890人。このうち、フィーチャーフォン事業にかかわる従業員約150人がNECカシオモバイルコミュニケーションズで勤務を続け、残る約740人はNECで再配置する。NECは、2013年度上期中に約400人を再配置する予定だ。なお、NECカシオモバイルコミュニケーションズの出資比率はNECが70.74%、カシオ計算機が20.00%、日立製作所が9.26%である。