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「なぜReRAMの量産一番乗りを果たせたのか」、パナソニックの責任者に聞いた

大下 淳一=日経BP半導体リサーチ
2013/07/30 15:01
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ReRAM混載マイコンを集積した200mmウエハーを手にする多那瀬氏
ReRAM混載マイコンを集積した200mmウエハーを手にする多那瀬氏
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ReRAMの動作原理
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技術開発のポイント(材料技術)
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技術開発のポイント(製造技術)
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技術開発のポイント(設計技術)
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さまざまなデバイスへの混載が可能
さまざまなデバイスへの混載が可能
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 パナソニックは2013年7月30日、ReRAM(抵抗変化型メモリ)を混載したマイコンを、業界に先駆けて2013年8月から量産すると発表した(関連記事)。ReRAMは、ストレージ・クラス・メモリ(SCM)やNANDフラッシュ・メモリ代替などをターゲットに、世界中の半導体メーカーが競って開発を進めている次世代メモリである。その量産化で、パナソニックが先陣を切ることができた理由は何か。同社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社でマイコンなどの半導体事業を統括する多那瀬寛氏(パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 セミコンダクター事業部 システムインテグレーション 総括)に聞いた。

─韓国Samsung Electronics社など名だたる半導体メーカーが長年、ReRAMの開発を進めてきた。パナソニックが量産化で一番乗りを果たせた理由はどこにあるのか。

多那瀬氏 当社はスタンドアローン(単体)のメモリ事業は手掛けておらず、そのためマイコン混載にターゲットを絞って開発を進めることができた。FeRAM(強誘電体メモリ)を混載するマイコンを長年量産してきた実績があり、この経験も大いに生きている。

 ReRAM混載マイコンの量産化に至った技術的なポイントは、「材料技術」「製造技術」「設計技術」の三つに関して、量産に耐える技術を徹底的に磨いたこと。これら三つの技術の合わせ込みにこそ、ブレークスルーがあったといえる。

 材料技術については、抵抗変化の安定性が高いTa(タンタル)酸化物に的を絞ったことに加え、メモリ特性を左右する金属酸化膜中の欠陥を均一に制御する技術を確立した。製造技術に関しては、金属酸化膜に電導パス(フィラメント)を形成するフォーミング工程の制御に力を入れた。フォーミング工程で流れる電流(フォーミング電流)とフィラメント寸法の相関を明らかにし、フォーミング電流を制御することでフィラメント寸法のばらつきを抑えられるようにした。設計技術については、セル・トランジスタへの印加電圧の制御などによって書き込み電流がばらつくのを抑えている。

 我々は2011年にはReRAM混載マイコンの基盤技術を確立していたものの、量産化のハードルは予想以上に高かったというのが正直な感想だ。だが時間を掛けたお陰で、十分に信頼性が高いデバイスの量産技術を確立できたし、そのことをユーザーにも認めてもらえた。

─ReRAM混載マイコンで開拓を目指す用途について聞きたい。また、現時点での採用状況は。

多那瀬氏 電池駆動型のポータブル機器をメインターゲットに据えている。ReRAMの低消費電力性や高速性がもっとも生きる用途だからだ。具体的には、血圧計や活動量計などの携帯型ヘルスケア機器の他、ウエアラブル・デバイス、火災報知器などのセキュリティ機器、各種のセンサ機器、非接触ICカードなどでの採用を見込んでいる。ゆくゆくは、エネルギー・ハーべスティング(環境発電)素子との組み合わせなども考えられるだろう。

 採用状況について詳しくは話せないが、ユーザー数はもちろん10を超えている。半導体事業部としての立場からは、社内外を問わず幅広いユーザーに売り込んでいきたい。

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