東芝は、デジタルプロダクツ事業の収益改善、事業体質強化を目的に、テレビ事業とPC事業の構造改革に取り組むと発表した(ニュース・リリース)。改革の柱は「利益創出に向けた集中と選択の実施」と「軽量経営体質の再構築」である。

 同社は2012年に、デジタルプロダクツ製品の設計開発機能の青梅事業所への集約、テレビの国内アフター・サービス拠点の集約などの構造改革を実施した(Tech-On!関連記事1)。しかし、国内市場での地上デジタル放送移行完了後の市場縮小の継続、欧州経済の低迷などに起因したテレビの需要減少・価格低下、さらに円安などの要因も重なり、テレビ事業は2期連続の赤字を計上している(Tech-On!関連記事2同3)。

 また、スマートフォンやタブレットとの競合によるPC需要の減少など、PC事業を取り巻く環境も今後一層の厳しさが予想される。そこで今年度に、テレビ事業、PC事業双方において、さらなる構造改革を推進することで、デジタルプロダクツ事業の2013年度下期の黒字化を目指す。

2013年度で約100億円、2014年度で約200億円の固定費を削減

 そのために、「利益創出に向けた集中と選択の実施」と「軽量経営体質の再構築」を柱とした構造改革を今年度(2013年度)に行う。具体的には、新興国市場の開拓や、B to B事業へのシフト、高付加価値商品のグローバル展開などを図る。これにより、売上・利益の拡大を目指すとともに、経営のスリム化とコスト削減を狙う。

 また、デジタルプロダクツ事業を所管する社内カンパニー「デジタルプロダクツ&サービス社」の組織改正を併せて実施する。これで、カンパニー経営の迅速化と注力事業への人的資源のシフトを行う。

 上述の構造改革の実施により、昨年度実施の構造改革効果と併せて、テレビ事業、PC事業合計で、2012年度に対し、2013年度で約100億円、2014年度で約200億円の固定費削減を図る。これで、グローバル競争で勝ち抜くための強い事業体質への転換を目指す。

 なお、今回決定した施策は2013年度実施を計画している構造改革の一部であり、今後も生産や国内外販売体制の見直しなども含め、聖域を設けずに、さらなる構造改革を策定・実施していくとする。

2013年度実施の施策 東芝の情報をもとにTech-On!がまとめた。
2013年度実施の施策 東芝の情報をもとにTech-On!がまとめた。
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