基板面積を28.7%削減

 基板部分には、二つの工夫を盛り込んだ。一つはメイン基板の配置位置を変えたこと。ギア部の直下にメイン基板を配置した(図8)。メイン基板に実装した部品がギアに触れないように、低背品を利用しており、ギアの真下になる部品には特に低い電子部品を採用した(図9)。電子部品の中でも背が高いのがコンデンサやコネクタである。例えば、電解コンデンサを従来のリード・タイプのものから面実装タイプに変えた。

図8 メイン基板の配置場所
図8 メイン基板の配置場所
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図9 メイン基板の断面側の比較。左がEP\-805A、右が前機種
図9 メイン基板の断面側の比較。左がEP-805A、右が前機種
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図10 左がEP\-805Aのメイン基板、右が前機種のメイン基板
図10 左がEP-805Aのメイン基板、右が前機種のメイン基板
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 もう一つの工夫は、メイン基板を小型化したこと。前機種に比べて面積を28.7%削減した(図10)。多層基板を利用したり、コネクタ数を削減したりして実現したという。前機種では4層基板を利用していたが、今回は6層基板を採用した。民生用の複合機に利用したのは今回が初めてだという。

 コネクタ数を削減するために、「中継基板」を採用した。複合機の体積の縮小や機能拡充などに向けた変更に伴い、搭載するセンサ類が前機種に比べて約2倍になった。その分、接続箇所、つまりコネクタも増える。そのため、センサとメイン基板を直接接続すると、コネクタ数が増え、基板面積の削減が難しくなる。そこで、複数の小型の「中継基板」にセンサ類を接続し、その中継基板とメイン基板を接続する構成を採った。