MEJへの期待を示す安倍総理
MEJへの期待を示す安倍総理
[画像のクリックで拡大表示]
会見するMEJ 理事長の山本氏
会見するMEJ 理事長の山本氏
[画像のクリックで拡大表示]

 官民一体で医療サービスや医療機器の海外展開を推進する組織「MEJ」(Medical Excellence JAPAN)は、2013年6月13日に東京都内で記者会見と発足記念式典を開催した。発足記念式典には安倍総理も駆け付け、成長戦略の一つと位置付ける医療産業拡大への期待を示した。

 MEJは元々、経済産業省の支援で2011年に設立された組織。当初は、海外の患者を国内に受け入れる、いわゆる「インバウンド」を促進するための組織だったが、2013年4月末に大幅に改組。医療サービスや医療機器を海外に展開する「アウトバウンド」の支援を中核に据える組織となった。

 このため“新生MEJ”には、ソニーやオリンパスメディカルシステムズ、東芝、NEC、パナソニック、日立製作所、富士通、三菱電機など多くの医療関連機器メーカーが正会員に名を連ねる。現時点での正会員は23社。

 医療サービスと医療機器を一体として国際展開を図ることを狙う。官民一体で海外の医療拠点とのネットワーク構築や情報収集、日本の医療技術の売り込みなどを実施する。海外展開を狙う国・地域としては、中国や東南アジア、中東、インドネシア、カザフスタンなどを挙げた。

 既に欧米や韓国では同様の取り組みを戦略的に進めている。これに対してMEJ 理事長の山本修三氏(日本病院会名誉会長、日本病院共済会代表取締役)は、「確かに日本は後発。しかし、日本の医療サービスや医療従事者のホスピタリティは海外で高く評価されている。それを強みに展開する国・地域に合ったパッケージを構築していく」と語った。

 現在は医療サービス・医療機器を中心に扱うが、将来的には介護サービスや介護機器・介護ロボットなどの海外展開の支援事業にも乗りだすことも明らかにした。