東芝は、佐賀市の清掃工場に二酸化炭素(CO2)分離回収利用システム(carbon dioxide capture and utilization:CCU)の実証試験設備を納入する(ニュースリリース)。佐賀市が2013年度から進める「清掃工場バイオマスエネルギー利活用促進事業」の一環として実証試験を行う。清掃工場での化学吸収法によるCCUの実証試験は国内初という。

 この事業は、佐賀市の清掃工場のゴミ処理過程で発生する排ガスからCO2を回収し、回収したCO2を農産物の栽培や藻類の培養などに有効利用するシステムの構築を目指すもの。これにより、CO2の大気中への排出量を削減するとともに、CO2を活用する企業が施設の立地を図ることで地域の活性化に寄与することを目的としている。

 この事業では、佐賀市が取りまとめを行い、東芝のほか、荏原環境プラント、九州電力、佐賀県環境科学検査協会が参画する。2014年度までにCO2回収実験及び、回収したCO2の利用方法の調査を行う予定。

 実証試験で東芝は、処理能力が20kg/日規模のCCU実験プラントを設計・設置し、CO2を回収する。同社は2009年、福岡県大牟田市に10t/日規模のCCS(carbon dioxide capture and storage)実験プラントを建設し、CO2分離回収の実証試験を行ってきた。その経験を生かし、今回は小規模の実証プラントを納入する。プラントは2013年9月までに現地に据え付け、10月からの実験開始を目指す。